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ゆう先生こんばんは。 先日健康診断をしたのですが、ピロリ菌が体内にいることが判...

医師への相談

相談者34歳/女性
ゆう先生こんばんは。
先日健康診断をしたのですが、ピロリ菌が体内にいることが判明しました。
ここ最近体調が悪かったことはないので、診断にとても驚きました。
ピロリ菌が体内にいても自覚症状はないのでしょうか?

また、薬での治療となったのですが薬を飲むだけで本当に完全に消滅するのでしょうか?
ピロリ菌は色々な病気を引き起こすという情報を聞いてすごく不安になっています。
ゆう先生からの回答
 こんばんは。ご相談ありがとうございます。
 健診で異常を指摘されるとだれでも不安になってしまいますよね。

 ピロリ菌は胃酸を中和するような仕組みを持っていて、胃の粘膜に感染できる細菌です。感染によって胃炎(粘膜の炎症)が発生しますが、ほとんどの方は症状がありません。また30歳代の日本人はおおよそ30%前後の方が感染しているので、特別に悪い病気になったという事ではありません。

 しかしすでにお調べになったと思いますが、ピロリ菌に胃の炎症が続くことで将来的には胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌や胃のリンパ腫などになりやすいことがわかっています。このために薬で細菌を退治(除菌)します。ピロリ菌の除菌には、その他の細菌感染と同じく抗生物質を使い、それに胃薬を組み合わせています。薬の種類によりますが、1回目の除菌成功率は現在おおよそ70-80%です。

 1回目の治療後にピロリ菌がしっかりと退治できているか検査を行うはずです。もしそれで退治できていなければ、2回目の除菌を行います(別の種類の抗生物質と胃薬を組み合わせます)。2回目までの除菌成功率は現在おおよそ96-98%程度と報告されていますので、ほとんどの場合は退治可能だと思っていただいて良いでしょう。

 万が一、2回目でも除菌できていない場合は3回目、4回目を行うこともありますが、日本の健康保険が適用されるのは2回目までで、3回目以降は自費診療です。つまり2回目までは3割負担のところ、3回目以降は10割負担になるということですが、現時点ではここまで心配しなくても良いと思います。

 ちなみに、ピロリ菌除菌により将来的な胃癌発生のリスクは5~6割ほど減らせるとされていますが、もともと日本人を含む東アジア人は胃癌の発生率が非常に高い人種です(このため胃癌の手術は欧米の外科医に比べて日本や韓国の外科医の方がよっぽど得意だったりします)。ピロリ菌の感染や除菌の有無に関わらず、自治体等で行われる胃癌健診には今後も積極的に参加していただくことをお勧めします。
相談者34歳/女性
詳しく教えていただきありがとうございました!
少し安心できました。治療頑張ります。