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ストレスがきっかけで機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)になりました。 今...

医師への相談

相談者21歳/女性
ストレスがきっかけで機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)になりました。

今年の1月に起立性低血圧と急性胃腸炎で倒れ、一週間入院しました。
退院したら食欲もほどほど回復し、脂っこいものでなければ普通に食べられるようになりました。
しかし、2月末に試験がありプレッシャーから参考書を見ただけで吐き気、過呼吸、手足の痺れなどの症状が出てしまい、胃カメラをした結果異常は認められず、機能性胃腸症と診断されました。
最初は六君子湯やガスモチン、ナウゼリン、タケキャブなどを処方してもらってましたが、あまり効果を実感出来ずアコファイドを数日前に処方されました。
しかし、アコファイドも効いているのかよく分からない状態です。
また、友人との食事でも吐き気や過呼吸気味になってしまうので一度メンタルクリニックに行きました。
抗うつ薬を処方されましたが副作用が怖く、一度も服用出来ないまま通院をやめてしまいました。
今は春休み中ですが四月から学校が始まりますし、医療系の学生なので実習もほぼ毎日あります。
耐えられるかとても不安です。
このような場合どうすればいいのでしょうか?

①アコファイドはどのくらいの期間で効果があるのか、またアコファイドで効果が出なかった場合どうすればいいのか。

②副作用がほとんどない抗うつ薬や抗不安薬はあるのか(元々起立性低血圧持ちなのでめまいの副作用は困りますし、ただでさえ食欲がないのに吐き気の副作用が加わったらと考えると怖いです)

③ネットで機能性胃腸症について調べるとなかなか治らない患者さんを多く見ます。
どのような心構えで居ればいいでしょうか。

宜しくお願い致します。
医師からの回答
ご相談いただきありがとうございます。
ご心配お察しします。
アコファイドを服用したとき、血中濃度(血液中の薬物濃度)が最高値に達するまで2.4時間ほどかかります。また、半減期(薬の濃度が半分になる時間)は13時間ほどです。
薬が定常状態(薬の効果が安定した状態)になるまでには3日かかるため、薬を服用して3日以上が経過すると安定的な効果を得られるようになります。アコファイドに即効性はありません。そのため、2週間は継続服用して様子を見るなど、経過観察する必要があります。
アコファイドには作用の似た薬があります。これには、飲み合わせで挙げたガスモチン、ガナトンなどがあります。ガスモチンはセロトニン5-HT4受容体と呼ばれるスイッチに作用することでアセチルコリン量を増やし、胃痛や胸やけ、吐き気などを改善します。一方でガナトンでは、ドパミンD2受容体と呼ばれる部分を阻害することでアセチルコリンの量を増加させ、胃腸の働きを活発にさせます。
アコファイドではアセチルコリンエステラーゼ(アセチルコリンの分解に関わる酵素)を阻害して作用を発揮します。
また、胃潰瘍の治療薬としてはドグマチールも存在します。高用量で使用すると抗うつ薬や統合失調症治療薬になりますが、低用量でドグマチールを利用する場合は胃薬になります。
中には上記のような薬を使用しても効かないことがあり、これには精神・心理的な要因が関与していることがあります。ストレスによって胃腸障害や生理不順など、さまざまな症状が起こります。そこで、ストレスを軽減することにより、胃腸症状を改善できることがあります。
こうしたとき、ストレスによる症状やパニック障害、自律神経失調症、緊張型頭痛、不眠症などの治療に用いられる抗不安薬を使用します。抗不安薬にはイライラや動悸を抑える作用があり、ストレスによる胃腸症状を軽減します。抗不安薬としてはデパス、コンスタン・ソラナックスなどが知られており、こうした薬とアコファイドを併用します。
また、ストレスによって呑気症と呼ばれる、「食事のときに無意識に空気を一緒に飲み込む症状」を生じることがあります。呑気症は空気嚥下症とも呼ばれ、ゲップやおならが多くなり、胃腸症状が表れるようになります。
機能性ディスペプシアは長期戦の病気となります。薬の効果についても上記の通り即効性はありませんので、内服後の効果に一喜一憂せず、長い目で構える必要があります。
ご回答になっていますでしょうか。
お大事になさってください。