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IPMN 先日膵体部に1.5㎝の膵嚢胞があり「分枝性IPMN]と診断されたもの...

医師への相談

相談者52歳/女性
IPMN
先日膵体部に1.5㎝の膵嚢胞があり「分枝性IPMN]と診断されたものです。
これから半年ごとのMRCPなど検査で観察していくことになりましたが
私はIPMN=癌だと思い込んでパニックになっていたのですが
もしかしてですが IPMNは時間をかけて悪性になる場合がある。ということなのでしょうか?すぐ癌になるということではないのでしょうか?
今50代ですがもしかしたらうまくいけば70才.80才で癌になる可能性が
有ると思ってもよいものなのでしょうか?
それと IPMNの診断がついて ネットばかり調べているうちに2004年の書き込みに IPMNは絶対に癌になる!とありましたが IPMNの考え方も変わっていってるのでしょうか?
いつも IPMNの質問ばかりして申し訳ありませんが
どうぞ よろしくお願いいたします。
医師からの回答
ご相談ありがとうございます。

IPMNは画像検査所見により主膵管型、分枝型、混合型に分かれています。IPMNは膵がんが併存していることがあるといわれており、そのリスクは主膵管型のほうが高いと言われています。

また、IPMNが時間をかけてがんになることもあるとされています。ある研究によると、分枝型IPMNを持つ2200人の患者さんを13~97か月経過観察したところ、2%の患者さんで悪性化(がんになった)が見られたとなっています。この研究の結論としては、「経過観察を受けている分枝型のIPMN患者でがんが発生するのは珍しく、がん化までには長い時間がかかる」ということになっています。

そのため、IPMNについては定期的な経過観察が行われるのだと思います。

上記の記載は、IPMNのコンセンサスガイドライン2012年版 https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/9/56_3315/_pdf を参考にしております。




相談者52歳/女性
先生。回答をありがとうございます。
IPMNを診断されてから ネットで調べまくっている状態で
分けのわからない情報ばかり 私の頭の中に入ってきています(汗)
主治医の言うには「分枝型IPMNの観察は 慢性胃炎の人が癌化するのを観察しているのと同じことぐらいだと考えてください」とのことでした。
一生 IPMNの検査をするのですか?との質問にも「1年に1度 がん検診するでしょう?それと同じと思って考えてください」とのことでした。
IPMNと診断されて以来 パニックになり落ち込みが激しいです。
主治医の言う通りもう少し 楽に考えても良いものなのでしょうか?
(もちろんIPMNの検査は怠りません)
医師からの回答
主治医の言葉をある程度素直に受け入れ、気にしなくていいと言われたことは気にせずに過ごされたほうがよいのではないかと思います。

我々の体では、60兆個の細胞がありますが、若い人でも毎日数個のがん細胞が生まれていると言われています。がん細胞は細胞の増殖の際、遺伝子のコピーミスが起こって発生します。しかし我々の免疫力や、異常な細胞を監視するようなシステムが働き、がん細胞が増えるまでに排除しているのです。がん発生とがん抑制のバランスが崩れたときに、人間が検査で見つけられるようながんが現れるのです。

遺伝子は、暗号の書かれた本のようなものです。本には30億文字が書かれています。がん細胞にならずに正常に細胞分裂を起こすためには、30億文字を間違わずに書き写す必要があります。こんなことを60兆の細胞でやっているのです。それを考えると、80年90年とがんにならずに生きておられる方を見ると、奇跡の存在に見えてきます。長生きすればするほど、がんになる確率は上がります。現代の高齢者には、2つ3つとがんを乗り越えてこられた方が多いです。

あまり病気のことを考えすぎず、貴重な時間を生きていることを考え、自分のするべきことを行い、楽しみを見つけて時間を使うことが、結局は免疫力も高めるのではないかと思います。
相談者52歳/女性
とても参考になりました。先生、ありがとうございます。感謝いたします。