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井上先生、こんにちは。先生のブログからこちらのサイトを知り、今回相談させていただ...

医師への相談

相談者46歳/女性
井上先生、こんにちは。先生のブログからこちらのサイトを知り、今回相談させていただきたいと思います。

私の兄のことについてです。
(統合失調症/48歳・無職)

①現主治医との関係が良好ではなく、主治医を替えたいが、病院側・医師から容易に受け入れてもらえるのか。

②主治医を替えるために必要な手順はあるのか。

③主治医を替える理由を現主治医に知られたくないが、理由を問いただされるものなのか。

以上についてお願いいたします。

(先ほど一度、詳細を含めた内容を送信したところ、エラー表示がでてしまいました。簡単な内容となってしまいましたがもう一度送信いたします。)

どうぞよろしくお願いいたします。
井上 智介先生からの回答
こんばんは!

質問ありがとうございます(^^)

ブログまで読んで頂いているとのこと、感謝です。

さて、ブログのノリでなく真面目に質問に答えていきますね。



大前提として知っておいて欲しいのですが、精神科は相性が大切な科です。

なので、主治医を交代したいって意見は精神科医ならめっちゃ経験するので、
普通の精神科医なら慣れています。

そのため、そのようなことを言われても、もはや何とも思いません!

そのうえで、質問に答えていきますね。


①主治医の変更はよっぽどじゃない限りスムーズにできます。
 そこを無理やり引き留めるような医師なら、余計に変更した方がいいです。


②主治医を替える手順は特にないですが、できたら紹介状(今までの治療経過など)を書いてもらうのが、一番ですね。次にいく病院が決まっていない人も多いので、宛先は空白でもOKです。


③主治医を替える理由は普通は聞かれないですね。正直に言うと、聞くのが怖いのもあります(笑)
慣れてると言えど、精神科医も人なので軽く凹みます(笑)
医者-患者に摩擦を生まないように、理由に関しては嘘も方便として置くのがいいかとと思います。


これらを統合して、こんな主治医の変更はどうかと書いてみます。
今通っている病院をA病院としましょう。

<病院ごと変える時>

1.まず次通院予定のB病院の受診予約をとる。
この時は、「A病院との先生の相性が悪いので、変更です 」と伝えてOKです。

2.A病院の受診の時に、「家族の事情で、今度大阪に引っ越しすることになったので、紹介状を書いてください。次にいく病院はまだ分からないので、宛先は空白にしてください」と伝える。決して、「宛先はB病院で」と伝えない事です。引っ越ししないのがすぐバレるからです。
(ただし、紹介状は即日出来ないので、後日取りに来るのでいつ事出来上がるか確認してもらえると丁寧で助かります。)

3.後日A病院に紹介状を貰いにいく

4.予約した日にB病院に紹介状を持って受診

※引っ越しネタはかなり定番です。


<病院は同じで、他の医師に変更する場合>

1.「今通っている火曜日に通院が難しくなったので、木曜日の先生に変更してください。」

これだけでOKです。同じ病院内ならすぐにカルテが見れますので、紹介状などいりません


よかったら、参考にしてください(^^)
相談者46歳/女性
井上先生、おはようございます。
先日は、早々にご回答いただき本当にありがとうございました。ご丁寧にパターンごとの変更の仕方まで提示していただきありがとうございました。小さな市の総合病院内での変更であったため、理由についても“嘘も方便”を活用いたしました。
先日から昨日までの間で、訪問看護時に主治医の変更をお願いし、さっそく昨日、新主治医の下で受診する事ができました。兄も「機械的な流れで話を聞くのではなく、否定も激怒もせずにじっくりと耳を傾けてくれる先生だった。主治医を替えて本当に良かった」と何度も口にしていました。
『指定医』という立場にこだわりすぎて『相性』を考えていなかった兄でしたが、井上先生のご助言のおかげで新しい視点をもつことができ、今後の不安も払拭されました。
お礼の言葉がこんなにも遅くなり、大変申し訳ありませんでした。本当に、本当にありがとうございました。

また、これを含めてあと3回の質問が可能とのことで、『症状について1点』、『薬について2点』、計3点についてまたご質問させていただきたいと思います。文字制限があることを知り、前回エラーが出てしまいましたので、改めて上記3点についてよろしくお願いいたします。
井上 智介先生からの回答
おはようございます(^^)

無事に主治医の変更がうまくいったみたいで良かったです。

指定医とか専門医は、長く精神科医医療に携わっていたらまぁ取得できるイメージなので、
腕の良し悪しとはまた違う印象ですね。

こんな私でも、指定医資格もってますから(笑)

またいつでも質問してください。

蛇足ですが、お礼のコメントで、質問のひと枠使ってしまうのはもったいないので、お気持ちをサラッとでで大丈夫ですよ。

また上手く活用してみてください!

では、今後ともよろしくお願いします。
相談者46歳/女性
井上先生、こんにちは。
それではさっそくご質問をさせていただきます。兄は17年前に統合失調症と診断されましたが、今現在、「幻聴」「幻覚?」「不眠」「頻尿」の症状があります。また、薬の副作用で手足の震え、血糖値上昇と体重増加があります。幻聴他、それらに自分なりに対処するように努めているようですが、症状の中で1番苦しいのが8年前に発症した「幻覚?」です。兄によると、①『カーテンや壁の模様、テーブルの木目調が人の顔に見え、それらが自分をにらめつけ、憎しみに満ちた表情で凝視しているため恐怖を感じ、頭がパニックになり、その後、鬱症状が出る』とのことです。②『いったん発症すると日常生活全般が一切できなくなり、セレネースを服用し、長い時で4〜5時間ただじっと横になりその症状が消えるのを待つしかありません』。また、③『セレネース服用後も目をつぶっていると、真っ暗闇の中で毎回同じ光景が目の奥に浮かび、その情景がとても暗く、悲しく、自分がイジメられているような気持ちになり、ただただひどく落ち込む』という状態になります。私もその状況を何度も目の当たりにしているので苦しいという事が理解できるようになってきました。
この8年間で新主治医を含めて4名の先生方に診ていただいてきたのですが、その「幻覚?」についてはそれぞれのDr.によって診断名が異なるのです。ちなみに、前々主治医からは「クロザリル治療」を勧められましたが、過去に死亡例もあったようなのでその治療には踏み切る事ができていません。また現在は、「インヴェガ」を服用しています。以前は「ジプレキサ」を服用していたこともありましたが、副作用の食欲亢進が異常に現れたため「インヴェガ」に変更してもらったとのことでした。
【質問1】上記①〜③『 』内のような症状に対し
て、井上先生はどのような診断名を伝えまか。
【質問2】「インヴェガ」に代わる、副作用が少なく効果的な薬は他にありますか。また、「クロザリル治療」について井上 先生はどうお考えですか。
【質問3】睡眠導入剤として3種類の薬を処方して
もらっていますが、「1錠から1.5錠に、2錠から1.5錠に」という具合に、0.5錠単位で処方量の増減をお願いするのは迷 惑なことなのでしょうか。
以上、どうぞよろしくお願いお願いいたします。
井上 智介先生からの回答
質問ありがとうございます。では1つずつお答えしていきます。

ただ、お会いしたことも無い人に対して病名をつけたり診断して意見
を言えるほど、私も超能力がないので、あくまで”予想”や”一般論”って感じで見て頂けたらと思います。



【質問1】
診断名はつけれませんが、似たような訴えの統合失調症のお患者さんはおられますね。
幻視症状に恐怖心を持たれるかたもたくさんいます。セレネースがどこまで効果が出ているかは文章からは不明ですかね。
ただ、私の経験した症例でもなかなかどの薬の頓服も効果が出なかったこともあります。


【質問2】

副作用の出方は人によって全く違います。なので、直接的な回答はできません。申し訳ないです。
ただ食欲亢進の副作用は避けたいというならば、セロクエルとジプレキサは避けた方がいいですね。
また手足の震えはどの薬でも起こりえるのも、何とも言えないですね。また インヴェガはリスペリドンの活性代謝物なので、変更を考えるならばリスペリドンへの変更はあんまり意味がないですかね…。
さらにはセレネースでもあまりいい効果が出ていない印象ですかね。
と、そんな感じで、色々と試行錯誤していくと使える薬がなくなっていくのが現実です。

なので、私は患者さんには「60点理論」を唱えています。
まぁ私の技量の無さが一番の問題になるのはスルーしてください(笑)

多くの精神科治療で、100点を目指してしまうと恐らく薬がてんこ盛りになります。

あの副作用が出たから、あの副作用止めを…この副作用が出たから、この副作用止めを…
あの薬じゃ効果ないから、別の薬を試してみよう…結局1種類じゃだめだから2種類に増やしてみよう…

みたいな感じです。


その結果、言われるのは『精神科医はすぐに患者を薬漬けにする』ってことです(笑)

もちろん医者もそのつもりはなく、患者さんのためにした結果がそうなってしまいます。
しかし、『それはどうなんだろう…』ってのが私の率直の意見です。

その疾患を完全に消すことを目標にするのはいい事ですが限界があります。
その塩梅が難しいとは思います。

しかし、症状はある程度残るのはある程度受容して、疾患と仲良くなるのが一番ではないかと思います。
一生のお付き合いだから、疾患を憎むよりも仲良く生きていくイメージです。


その中で「クロザリル治療」については、別にネガティブなイメージは持っていません。

死亡例の話もありますが、よく効果が出ている人を見てもいるので、
確かに難治性統合失調症には効果があると思います。

ただ、これも始めるなら100点で治ることはないと思って開始すべきではあります。
あと採血の回数が多くて、少し患者さんには負担になるかなって感じです。


【質問3】
睡眠導入剤としては、0.5錠単位で処方量の増減するのは一般的なことです。
頼みにくいのあれば、『眠気が朝まで残ると困るので…』などの枕言葉をつけて頼めばばっちりです。



長々と申し訳ありません。

少しでも参考にしていただけたら幸いです。

相談者46歳/女性
井上先生、こんにちは。
年の瀬の慌ただしい中に大変申し訳ありません。そして、いつも真摯に、ご丁寧にご回答下さり本当にありがとうございます。
冒頭の「会ったこともない人に対して…診断名のお願い【質問1】」は大変失礼な質問であったと反省しております。すみませんでした。
「60点理論」については、先生のブログ記事で拝読させていただいていたので非常に腑に落ちるご回答でした。また、先生が多種の薬を処方することに率直に疑問を呈していること、「受容し、憎むよりも疾患と仲良くなる」という言葉は、兄をとても勇気つけてくださるものでした。

そして、つい先日、兄に脳ドックを勧め受診を終えてきました。薬の副作用もあり、現在の体重が適正体重を25kgオーバーしています。また、「空間認知力障害に問題あり」との結果でした。

最後に以下2点についてご助言をお願いいたします。

①適正体重に戻すために心がけること
②「空間認知障害」をこれ以上悪化させないために必要なこと

どうぞよろしくお願いいたします。

井上先生からいただいたことばの数々は、兄にとってどんなに心強く、励ましになったか計り知れません。失礼な質問もあった中でご回答いただき心から感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
先生におかれましてもどうぞ良いお年をお迎えください。
井上 智介先生からの回答
明けましておめでとうございます。

失礼だなんてとんでもありません。
私の能力不足ですから(笑)

さて質問に答えていきます。


①適正体重に戻すために心がけること

これはやっぱり間食しないことですね。
あとは、やっぱり炭水化物を減らす事です。
薬の影響などもあるので、やっぱり食欲増進はあると思います。
しかしこの2点をきにして実行できたら、かならず結果につながります。

ただ強い意志がないと続か無いのはご存知だと思いますので、
これもまた100点なんて目指すと絶対に続きません。
1か月1キロで十分です。出来なかったら1か月0.5キロ減量でもOKです。

まずは自分の体重に継続して興味を持つことを続けることを目標とすればいいです。


②「空間認知障害」をこれ以上悪化させないために必要なこと

出来る出来ないなどはありますが、やっぱりスポーツです。
スポーツ療法はこの点でも非常に優れていると考えていいでしょう。
もちろん、スポーツを1回、2回しただけでは、効果はありませんが、これも続けることですね。

スポーツの良さはルールがあり、だいだいどの競技でも空間認知が必要になるので、
プレーの上達とともに、空間認知の能力も補正されてきます。

私はよく患者さんにはテニスを推奨して、実際に効果が出ていますね。


たしか論文などでは、球技とかではなくても、
ウォーキングなどでも空間認知の機能向上に効果あるとの結果があったはすです。

なので、ウォーキングなどからでも結構ですので継続できるといいですね。


では、またお暇な時があれば、ブログなどに遊びに来てくださいね^^

今後ともよろしくお願い申し上げます!
相談者46歳/女性
井上先生、あけましておめでとうございます。
お忙しい中、いつも早々にご回答いただき恐縮しております。

適正体重に戻すためには、やはり強い意志のもとでの実行あるのみなのですね。確かに間食や炭水化物の摂取量はひどい状況です。また、空間認知障害を悪化させないためにはスポーツ療法が効果的なのですか‼︎ 特にテニスが効果的だとお聞きして、目からウロコでした。
「60点理論」をベースにして、できることを少しずつ積み重ねていけるように、と兄に話したいと思います。

これまでの全てのご回答になんとお礼を申し上げたら良いのか言葉が見つかりません。ただただ感謝しております。本当にありがとうございました。

先生のブログはフォローさせていただいていますのでいつもフレッシュな記事を拝読させていただいております。これからも楽しみにしております。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
多忙な毎日をお過ごしの中、どうぞお身体をご自愛下さい。
重ねて、ありがとうございました。