1. トップ
  2. みんなのQ&A
  3. 5年連続して健康診断で脂質異常症「要治療」と指摘を受け、かかりつけ医では遺伝性の...

5年連続して健康診断で脂質異常症「要治療」と指摘を受け、かかりつけ医では遺伝性の...

医師への相談

相談者44歳/男性
5年連続して健康診断で脂質異常症「要治療」と指摘を受け、かかりつけ医では遺伝性の様だとのことで、クレストール錠の服用をすすめられています。

数値を下げるためにはクスリが必要なのは事実でしょうが、一生飲み続けるとなると抵抗があります。飲んだほうが良いのでしょうか?

健康診断では動脈硬化を早期発見すべく、ベッドであおむけになって行う1600円程度の動脈硬化検査と、眼底検査を追加オプションで入れていますが、今のところ異常ありません。この検査はつづけたほうが良いですか?

おすすめの検査もあれば教えていただけますと幸甚です。

年齢: 44(男)
総コレステロール: 280
HDL: 60
LDL: 190
中性脂肪: 100
医師からの回答
ご相談ありがとうございます。ご不安なお気持ちお察しします。

遺伝性とか家族性というのは、コレステロールを体内で運んだり処理したりするたくさんのしくみのうちの一部に、効率が悪いところなどがあるという意味で、それほど珍しい状態ではないとされています。遺伝性・家族性といっても程度は様々です。

食事や運動に気を付けても数値が下がらない場合、薬を使うことも考えますが、いったん始めたら一生同じ薬を飲み続けるとも限らず、またご記載の薬については副作用についても、動脈硬化で老化が進むよりは少ないと考えられる場合が多いかと思います。

薬を開始するかどうかや、どの程度を目標にするかについては、心臓の狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった動脈硬化系の病気をすでに持っているかどうかや、糖尿病・慢性腎臓病などがあるか、年齢、性別、喫煙、若くして動脈硬化による病気になった親族がいるか(男性55歳未満、女性65歳未満)なども考えて決定されます。ただ家族性高コレステロール血症を疑う場合には、もう少し厳しめに治療を検討することもあります。

健康診断については、すでにかかりつけ医療機関で脂質代謝異常(高脂血症)として、健康保険適応にて診察を受けておられるのであれば、必要な検査は健康保険適応で行われると思いますので、健康診断で自費にて追加検査をする必要性は低いかとは思いますが、今後どういう検査をしていくかについてもかかりつけ医療機関でご相談できるかと思います。

一般的に申しまして動脈硬化の程度を調べる検査としては、血管に音波を当ててその跳ね返ってくる速度などから血管の硬さを調べる脈波検査や、腕と足で血圧を測り比べる検査、首の横にある血管に超音波をあてて内部に動脈硬化による狭まりがあるかどうかを見る検査などがあるかと思います。眼底は、人体で唯一、細い血管を直接観察できる部位ということで、健康診断などで取り入れられており、動脈硬化以外にも緑内障の早期発見などの役割を持っていますが、動脈硬化の見地からだけで見れば、血圧や脂質異常を内科的に管理されているなら、どうしても必要というわけでもない検査ということになるかと思います。眼科についても、脂質代謝異常で治療中ということであれば、眼科にて、健康保険適応で眼底検査が受けられると思います。
相談者44歳/男性
健康保険適応についての情報もいただきありがとうございました!