肺アスペルギルス症の症状

肺アスペルギルス症は、病態別に、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症、侵襲性肺アスペルギルス症に分けられています。
  
肺アスペルギローマは、咳、痰、胸痛など、呼吸器に症状が現れ、ひどい場合には呼吸困難に陥ります。
  
慢性壊死性肺アスペルギルス症は、何らかの全身性基礎疾患が背景にあり、短い場合は数週間で悪化していくと考えられ、その病態は、肺アスペルギローマと侵襲性肺アスペルギルス症の中間に位置します。
  
侵襲性肺アスペルギルス症は、突然熱が出た後、咳、痰、呼吸困難、胸痛、血の混じった痰、肺や気管支からの出血である喀血などの症状が起こります。

肺アスペルギルス症の原因

肺アスペルギルス症は、肺アスペルギローマの場合、肺に存在する古い空洞にアスペルギルスが増殖することにより起こります。慢性壊死性肺アスペルギルス症は、何らかの基礎疾患が原因で症状を現します。
  
侵襲性肺アスペルギルス症は、臓器移植の際に用いられる免疫抑制剤や、血液性悪性腫瘍の抗がん化学療法、膠原病の際に長期に渡って大量にステロイド薬を投与することなどが原因で起こるとされています。
  
肺アスペルギルス症は、抗生物質やステロイド剤が多く使われるようになると共に増えてきたと言われています。また、アレルギーにより引き起こされる、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症も存在します。

肺アスペルギルス症の治療法

肺アスペルギルス症は、肺アスペルギローマの場合、注射や点滴による治療が行われます。また、内服薬が投与されることもあります。しかし、これらで根本的に治すことはできず、根治させるには手術が必要になります。
  
慢性壊死性肺アスペルギルス症の場合には、基礎疾患の治療を行います。侵襲性肺アスペルギルス症の場合には、静脈注射や点滴を行います。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の場合には、ステロイド薬が用いられるのが一般的です。