びまん性汎細気管支炎/DPBの症状

びまん性汎細気管支炎(DPB)は、咳と痰が数ヶ月から、長い時には数年に渡って続きます。そして、進行していくと息切れなども起こるようになり、膿性の黄色い痰が出始めます。また、鼻水、鼻詰まり、後鼻漏などもよくみられる症状です。
  
これは、びまん性汎細気管支炎(DPB)の患者は高確率で過去に慢性副鼻腔炎にかかったことがあるか、同時に発症しているためです。更に、呼吸不全まで症状が進むことがあり、そうなると、唇や爪に、皮膚や粘膜が青紫になるチアノーゼの症状が見られることもあります。

びまん性汎細気管支炎/DPBの原因

びまん性汎細気管支炎(DPB)は、今のところ原因ははっきりと分かっていません。しかし、日本人、韓国人、中国人などの東アジア人が発症する場合が多く、欧米人などにはほとんど発症しないことから、人種差があると考えられています。
  
また、家族の中に気管支の疾患を患っていたり、慢性副鼻腔炎を患っている場合が多いと言われていることや、慢性副鼻腔炎を合併しやすいことなどから、気道の防御機構に関係のある遺伝子が関係があるのではないかと考えられています。実際に、白血球抗原(HLA)のタイプであるHLA-B54をもつ患者が高率にみられます。

びまん性汎細気管支炎/DPBの治療法

びまん性汎細気管支炎(DPB)は、エリスロマイシンを6ヶ月から2年以上の長期に渡って少量ずつ服用する、エリスロマイシン療法が中心となります。エリスロマイシン療法と同時に、去痰薬の使用や、ネブライザーによる治療なども行われます。
ゼーゼーという音が伴う呼吸など、喘息のような症状がみられる場合には、気管支拡張薬が用いられます。また、呼吸不全の症状がある場合には、在宅酸素療法が行われます。