尋常性魚鱗癬じんじょうせいぎょりんせん

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皮膚の病気
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医師監修

尋常性魚鱗癬とは

尋常性魚鱗癬とは、皮膚が乾燥のため角化し、魚の鱗のような鱗屑ができる全身性の皮膚疾患です。特に冬場に症状が悪化します。アトピー性皮膚炎との合併症状として現れる場合もあります。遺伝性の皮膚病とされ、多くは乳幼児期に発症し、成人すると軽快する場合があります。

尋常性魚鱗癬の症状

尋常性魚鱗癬の症状は、乾燥による全身の皮膚表面の角化、魚鱗化です。表皮の顆粒層が薄いため、硬化した皮膚が鱗状にひび割れ、端がめくれて落屑しやすくなり不快感を呈します。
  
全身性ですが、特に体幹、肘や膝の伸側面、下腿前面に好発し、肘や膝の内側や外陰部にはあまり生じません。生下時には無症状ですが生後2か月位から発症し、多くは成長とともに症状が軽快します。
  
湿度の高い夏場は軽快しますが、発汗が困難なため体温調整が十分に行えないため、熱中症に対する注意が必要です。一方、冬場は乾燥のため症状が悪化し、皮膚が深くひび割れてしまうことがあります。

尋常性魚鱗癬の原因

尋常性魚鱗癬は、常染色体準優性遺伝の疾患です。皮膚角質の形成と水分保持に重要なはたらきがある蛋白フィラグリンの遺伝子変異が原因です。フィラグリンの生産が少ないと皮膚の保湿・保護機能が破綻するため、角質の増殖速度が上がり、尋常性魚鱗癬を発症します。
   
重症型となるのはフィラグリンが完全に欠如してしまうホモ型の場合で、半量に低下するヘテロ型の場合は比較的軽症です。発症割合は、およそ300人に1人とされています。アトピー性皮膚炎との合併が見られるケースも多く、フィラグリンの遺伝子変異による皮膚の保護機能破綻は、アトピー性皮膚炎の発症原因の一つとも言われています。

尋常性魚鱗癬の治療法

尋常性魚鱗癬は遺伝性の皮膚疾患であるため、確立した予防法はまだありません。症状の悪化を予防する方法としては、皮膚の保湿と室内環境の管理があげられます。
   
具体的には、皮脂を落としすぎないよう入浴は短時間ですませ、こすりすぎに注意します。石鹸の利用を最小限にとどめるのも大事です。また、入浴後は速やかに保湿剤を塗布し、気化による乾燥を防ぎます。角質溶解剤,あるいは活性型ビタミンD3軟膏も用いられることがあります。室内ではエアコンや加湿器を効果的に利用し、適切な温度と湿度を保つことが大切です(高温多湿のほうがいいとされますが夏季は体温が上昇しやすいので注意も要ります)。
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