膝のポキポキ音は危険？変形性膝関節炎の発症リスクとの関係性とは Doctors Me(ドクターズミー)

研究では、もともと変形性膝関節症を持っていない3495人の患者(平均61.1歳)に対して、膝を動かすとポキポキ・ポキッというような音がどの程度の頻度でするかを質問し、その後4年間で変形性膝関節症を発症する危険性について調べました。

ポキポキ音がいつもすると答えた人は、ポキポキ音がしないという人に比べ、変形性膝関節症を発症するリスクが3倍高くなりました。ポキポキ音がする頻度が多いほど、発症リスクは高くなっていました。

膝がポキポキ音を立てると訴える患者は、将来変形性膝関節症を発症するリスクが高くなることが分かりました。

今まで、ポキポキ音には何の意味があるのか分かっていなかったのですが、患者さんの自覚症状が変形性膝関節症の発症を予測する因子になっていることが分かりました。
(※1)

膝関節は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(内側にある脛骨と外側にある腓骨)、膝蓋骨をつなぐ関節です。

すねの骨は二本あるのですが、重要なのは主に内側を通っている脛骨です。大腿骨と脛骨、腓骨は、内側側副靭帯・概則側副靭帯・十字靭帯などでつながれています。

それぞれの骨の端には軟骨が付いており、骨の間には半月板という軟骨がはさまっており、クッションの役割をしています。

軟骨がすり減り、関節の動きやスムーズにいかなくなり、痛みが生じる病気です。

加齢によって起こるもので、50才以上の肥満女性に多く、体重がかかり続けることが原因と考えられます。

骨折などのけが、化膿性膝関節炎などから発症し、若い人にも起こることがあります。レントゲンを撮ると太ももの骨とすねの骨の間が狭くなり、間の軟骨がすり減っていることが分かります。

立ち上がる時や階段の上り下りの際、膝関節の内側に痛みを生じますが、じっとしていると痛みはないです。

膝関節の曲がる範囲や動きが制限され、正座ができなくなったり、立っている時に膝を伸ばしきれず、少し曲げた姿勢で立つこともあります。

膝関節の内張りをしている膜に炎症が起こり、膝関節に水が溜まった状態になります。

荷重がかかりやすい膝関節の内側がすり減り、内股でO脚になります。

太ももの前面を通る大腿四頭筋などが筋力低下し、筋肉がやせてしまいます。すると膝関節が支えを失ってさらに無理をするようになるという悪循環が起こります。

膝関節の負担を減らすために肥満がある場合は体重を減らし、杖を使うことを検討します。

太ももやひざ周囲の筋肉を鍛えるリハビリをします。

膝関節周囲を支える装具や、足の裏を支えてO脚を矯正する器具を使うこともあります。

痛み止めの内服や、膝関節に炎症を止めるステロイド薬やヒアルロン酸を注入することもあります。

上記の方法で症状が十分取れない場合は、手術ですねの骨を切って形を変えることで、膝の内側にばかり負担がかかる状態を修正することもあります。

もしくは膝関節周囲の骨を切って、人工関節と取り換える人工膝関節全置換術を行うこともあります。

・体重を増やさないこと
・筋肉をつけることで関節にかかる負担を少なくすること
・膝をひねるような動きを避けること
・スポーツでは膝を守るプロテクターを使用すること

上記のような方法があげられます。

膝は体重を長年支え続ける関節です。椅子に座ったままで膝を曲げ伸ばしする運動などで大腿四頭筋を鍛え、膝の負担を減らすことができます。

(監修：Doctors Me 医師)