心タンポナーデとは
心タンポナーデとは、心臓と心臓を覆っている心外膜の間に、何らかの原因で大量の液体がたまり、心臓の動きを阻害してしまった状態のことを言います。死に至る場合も少なくない極めて危険な状態です。
心タンポナーデの症状
急性の心タンポナーデの主な症状は以下の4つが挙げられます。・首の血管のふくらみ(頸静脈怒張)
・血圧の低下
・心音減弱
・頻脈
これらの他に、胸の痛みや胸部圧迫感、不快感、意識低下、奇脈(吸気時に上の血圧と下の血圧の差が小さくなり、呼気時に逆にその差が大きくなる)、呼吸困難などもみられることがあります。ひどい時はショック状態に陥り、心不全となる場合もあるので、救急車を呼び、一刻も早く早急な対応が必要です。
また、慢性的に心嚢の液体が少しずつ増えていった場合は、徐々に血圧の低下や呼吸困難などの症状があらわれてくることがあります。そのほか、食欲不振や体重の減少がみられる人もいます。また、症状が全く出ない人もいるので注意が必要です。
心タンポナーデの原因
急性心タンポナーデの原因は急性大動脈解離、胸部の外傷、心筋炎や心膜炎などによる心嚢液の貯留、心筋梗塞などが原因となります。大量出血を伴う場合は頸静脈の張りでの判断が困難となるため、心エコー検査で確認する必要があります。静脈圧上昇,血圧低下,心音減弱が3大徴候ですがこのうち静脈圧上昇、血圧低下が見られやすいです。
慢性心タンポナーデの原因は悪性腫瘍、尿毒症などの重篤な腎機能低下、甲状腺機能低下症などでの粘液水腫、膠原病などで徐々に心嚢液が溜まっていく場合です。
食欲低下、動悸、息切れ、頸静脈の張り、足の浮腫みなどがみられます。
心タンポナーデの治療法
急性の心タンポナーデには具体的な予防策はありません。まわりの人が応急処置としてできる対応もないので、もし心臓を強く打つような怪我、負傷をした場合はすみやかに救急車を呼ぶようにします。また、頸静脈怒張や心音減弱など明らかな異常が認められる場合も早急に医療機関にかかるようにします。また、慢性の悪性腫瘍など他の疾患により心タンポナーデが起こる可能性のある人は、適宜心エコーなどでチェックしていただき医師に適切な治療を受けるようにします。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください