急性硬膜下血腫の症状

急性硬膜下血腫の症状は、主に激しい頭痛・嘔吐・意識障害が挙げられます。
 
意識障害は、脳挫傷の直後から起こる場合が多いですが、中には数時間たってから起こることもあります。また、脳挫傷の症状として半身のまひや障害、言語障害などが起こることがあります。乳児などは頭を打って数分間泣いたのちに痙攣したり、嘔吐をして意識がなくなる場合があります。
  
さらに血腫の圧迫がひどくなると、脳ヘルニアにまで進行します。脳ヘルニアになると、四肢や体幹が異常な形となったり、呼吸障害などが起こり、最終的には死に至ります。

急性硬膜下血腫の原因

急性硬膜下血腫の原因は、大きく分けて2つあります。ひとつは脳挫傷によるものと、もうひとつは脳と硬膜をつなぐ橋静脈の断裂によるものです。
  
脳挫傷の場合は、怪我などをすることで起きるのでわかりやすいのですが、橋静脈の断裂の場合は、頭部に傷や打撲がなくても出血しているので注意が必要です。
  
橋静脈の断裂は、頭を強く揺らすような力がかかったときに、脳と頭蓋骨がずれることにより起きる場合があります。たとえば乳幼児が転倒して頭を打ったときに打撲などができていなくても橋静脈の断裂が起きている場合があります。また高齢者は脳が収縮していることも多く、断裂が起きやすい状態になっていることがあります。

急性硬膜下血腫の治療法

急性硬膜下血腫は脳挫傷によって起きることが主なので、まずは怪我に注意をすることが大切です。特に乳幼児は転倒などにより頭部をぶつけやすいので、まわりも気をつけるようにします。
  
また、急性硬膜下血腫は、脳の損傷の程度によって予後が変わります。また、入院の時の状態と予後が比例するとも言われています。頭部に損傷を負った後に、頭痛や吐き気、意識障害が出た場合は、決して放置はせずに、すみやかに医療機関にかかることが大切です。

治療は、受傷後に手術療法がメインで行われます。血腫を完全に除去し、出血源を確認して止血するためには、全身麻酔下に開頭して血腫除去を行うのが確実です。
手術の方法に関しては、受傷部位や程度により決められていきます。