踵骨骨折の症状

踵骨骨折は骨折カ所や度合いによってさまざまですが、多くの場合、痛みのため歩行や立つことが困難になります。またかかとの腫れや皮下出血・圧痛などを伴います。踵骨の上にある距骨との間の関節がずれる事で、踵の高さが低下して幅が広がり扁平化が見られることもあります。

踵骨の大部分は海綿骨であり、血行が良いので、治りやすいといえますが、粉砕骨折しやすく原型に戻すのが難しい面もあります。海綿骨の構造上、骨吸収や骨萎縮も起こりやすく、継続した痛みが出やすい骨折です。

骨折の度合いや体質によっては、腫れや皮下出血・痛みなどが軽度に感じられる場合もある為、注意する必要があります。

踵骨骨折の原因

踵骨骨折の多くの場合は高所からの落下で足から着地した場合など、踵に強い衝撃を受けた際に、踵骨を押し潰す力が発生する事で骨折します。アキレス腱による力が踵骨を引っ張り上げる事で生じる骨折もありますが、ほとんどの場合、衝撃による圧迫が原因です。

体重のかかる骨と言う事もあり、受傷時に粉砕骨折するケースがあります。海綿骨の構造上、骨折片が多いほど骨萎縮や骨吸収など、後遺症をもたらす傾向にあります。骨折した場合、正常位置で固定する事が必要です。放置する事で、後遺症をもたらしやすくなる為、医療機関での早期診断・治療を行ってください。

踵骨骨折の治療法

踵骨骨折の治療は、骨のずれや関節面に骨折がおよんでいるかどうかで治療が大きく違ってきます。
まずはX線やCT検査で骨折の程度を詳しく評価し、軽度であった場合は、ギプスで固定すれば治ります。
一方、関節面に骨折が及び骨がずれている場合は、徒手整復(外側から手で骨のずれを治す)、釘を外側から刺してずれを防ぐ、手術で金属プレートやネジを用いて固定するなどの治療が行われます。
放置する事で手術や治療が困難になる場合も多く、早期診断・治療が必要です。

予防としては、高所作業時などの転落防止装備の着用や設置、踵部分に緩衝材などの着用・装着など、保護具の利用や、日々の運動や食生活を改善することなどが考えられます。骨粗鬆症などの予防も含めて、骨に適度な負荷を与え、踵骨内の海綿骨の血行を良くして、健康な骨作りを心掛けることも大切です。