尿道損傷の症状

尿道損傷の症状として最も多く発生するのが、排尿困難です。これは、尿が通る道筋である尿道が損傷することによって尿道に腫れが起こり、排尿が妨げられる事により起こります。損傷部分に尿が通過することで起こる刺激から、激しい痛みも伴います。更に、尿道の損傷が非常に激しく内部で内出血が発生する事もあり、この場合、血尿や尿道からの出血する可能性もあるでしょう。
会陰部ならびに陰嚢部分を中心とした皮下出血も代表的なものです。また、後部尿道損傷の場合、全部尿道損傷とは違う症状として、肛門周囲に、皮下出血による血班が現れます。特に後部は静脈が豊富に存在しているため、血班は、後部に発症した場合の代表的な症状といえるでしょう。

尿道損傷の原因

主な原因は外的な刺激です。股間部分を堅い物体に激しくぶつけた場合や、交通事故などによって激しい衝撃を下半身に受けた場合に発症することが多いでしょう。
また、泌尿器科での治療自体が原因となるケースも多くあります。
尿道に通して治療を行う際に用いる専用器具である、尿道カテーテルや内視鏡などが代表的です。これらの医療器具を尿道内部へと挿入して行う手術などを受けた場合、器具の挿入時に尿道内部が傷つけられてしまい、これが原因で尿道損傷へと至る可能性もあります

尿道損傷の治療法

日常生活で可能な予防としては、股間部分を中心とした、下半身に対する刺激を極力減らすよう心がける事でしょう。
最近では、股間部分に比較的堅い素材を用いた専用下着も販売されています。試合などで下半身を損傷するリスクの高いアスリートがよく使用されているものですが、日常でも損傷リスクの高い人は使用してみるのもよいでしょう。
治療は、損傷の程度が軽度の場合は、安静と抗生剤の内服で様子をみる事もあります。しかし多くの場合、尿道を保護する目的で、尿道にカテーテルを留置し、排尿はカテーテルを通して導尿する事を数週間行うことが治療となるでしょう。
尿道の損傷が重度であり、カテーテル挿入が困難な場合は、体外に膀胱婁という、体外に尿を導くためのものを造り、その後尿道の再建手術を行う場合もあります。