脳振盪の症状

脳振盪の症状は、三段階のレベルによって分けられています。意識は失っておらず健忘症状などもすぐに回復を見せる状態を軽度、意識を失い2分以内に目覚めるものを中度、意識を失う時間が2分以上のものを重度として分類します。
具体的にみられる症状としては、意識の混濁または消失・めまいやふらつき・頭痛・吐き気・記憶喪失・呼吸や脈拍の乱れ・ろれつがまわらない・耳鳴りなどが挙げられます。
上記に挙げたものは基本的に短期で消失することがほとんどですが、重症の脳振盪の場合は数日間や数週間にかけて頭痛や眩暈などが持続し、注意力散漫になるなどの異変が見られる場合があります。特にしつこい頭痛やめまいは脳になんらかの異変を生じている場合があるので早急な医療機関の受診が求められます。

脳振盪の原因

脳振盪の原因は、未だにはっきりとは解明されていない点が多数残されています。有力な説としては、脳に何らかの衝撃が加わることによって神経伝達物質が過剰に分泌されること、衝撃により脳の血管が引っ張られること、脳と頭蓋骨の間に隙間が生じることなどが唱えられていますが定かではありません。いずれにしても脳が激しく揺れることによって何らかの異常が脳に生じるためであると考えられています。
脳振盪が起こりやすい状況としては、スポーツの最中の転倒が最も多く、特にアメリカンフットボール・ラグビーなどの衝突の激しいものや、ボクシングや空手などの格闘技、乗馬やアイスホッケー・スキーなどの転倒しやすいスポーツにおいてしばしば見られます。また、交通事故や転倒事故、転倒事故などによって頭部に衝撃が加わった場合にも脳振盪が引き起こされることがあります。

脳振盪の治療法

脳振盪が起こるような状況は偶発的に引き起こされるものがほとんどですので、予防策としては脳に衝撃が加わるような状況を未然に防ぎ、対策を行うことが最も効果的です。
例えば、可能であれば競技時にヘルメットやマウスピースなどを着用して衝撃を和らげる工夫をする、日ごろの呼びかけによって競技中の集中力や緊張感を高める、などが具体的な予防策として挙げられます。格闘技であれば受け身などの動作を習得しておくことも大切です。コーチや監督などの役割にある人などが、衝撃を受けた時の対処法などを身に着けておくとよいでしょう。
脳振盪を発症した直後などに脳に衝撃が加わると、セカンドインパクトシンドロームという致死率が50%にもなる危険な状態に陥ってしまうため、さらなる衝撃を防ぎしばらくは安静にすることも必要とされます。