浮腫/びまん性脳腫脹の症状

浮腫は、頭部を打撲したときには、さほど症状があらわれることはなく、意識障害などをきたすこともほとんどありません。しばらく時間がたってから、症状が出始めるのが本疾患の最大の特徴で、数分から数時間経過後に、頭痛や嘔吐などの症状があらわれます。

これは、打撲を受けた後に、徐々に頭蓋骨内の内側の圧力が高まってくることに起因しています。場合によっては、軽度の意識障害や、けいれん発作を起こす場合もあります。重症化した場合は、昏睡状態になることもあります。

もともと、乳幼児から中学生くらいまでの若年層に多い疾患ですが、成人が頭部を打撲した際は、脳の損傷も伴う場合があり、その場合は、受傷直後から意識障害が発生します。

浮腫/びまん性脳腫脹の原因

浮腫は、頭部を打撲することにより、脳の中の血管を流れている血液がうっ血状態になることが原因です。血液のうっ血により、血管が膨張し、結果的に脳の組織の容積が増します。

その結果、頭蓋骨内の内側の圧力が高くなる状態である、頭蓋内圧亢進になります。びまん性脳腫脹/浮腫の場合は、脳内の血管内のうっ血のみで、脳そのものに損傷があるわけではないので、経過観察をしてうっ血状態が解消されれば、後遺症などを起こすことはなく回復することが可能です。

ただし、成人が頭部の打撲をした場合は、脳組織が挫滅した脳挫傷を伴っていることが多いので、治療後も後遺症や生命の危険性について慎重に観察する必要があります。

浮腫/びまん性脳腫脹の治療法

浮腫は、頭部に打撲を負うことにより発症する疾患です。よってその予防策は、頭部を保護することが有効です。

小学生や中学生などにおいては、自転車の運転中はヘルメットを着用するなどして、交通事故や転倒した場合に頭を打った場合も、衝撃を軽減するための努力が必要になります。大人の場合もオートバイ乗車時は安全規格を満たしたヘルメットの着用が賢明です。

また、スポーツなどを行う場合も、徹底した安全管理をする必要があり、スポーツを行う場所の整理整頓や、衝突回避のためのルール作りなどを行う必要があります。