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アルコールの摂取が過ぎて、脂肪肝と診断されました。「脂肪肝にはタウリンが効く」と...

医師への相談

相談者54歳/男性
アルコールの摂取が過ぎて、脂肪肝と診断されました。「脂肪肝にはタウリンが効く」と耳にし、ネットで見ましたが、牡蠣とかしじみとか、毎日なかなか口にできません。
しばらく断酒はしていますが、脂肪肝(脾臓も肥大気味)に適したサプリメントとかありますか?
医師からの回答
ご質問ありがとうございます。

脂肪肝の診断だったのですね。
まず脂肪肝の症状についてお話ししたいと思います。
脂肪肝の原因は
1.肥満・糖尿病が起因するもの
2.アルコールの飲みすぎ
3.運動不足
などが挙げられますが対策のポイントとしては
1.低カロリー・低脂肪食にする
脂肪肝の原因である肥満を解消するには、低カロリー・低脂肪食でバランスの良い食事が必要です。
食べ過ぎの方は、食事量を減らすことから始め、腹八分目で満足できるようよく噛んで食べる習慣をつけましょう。

2.アルコールを控える
脂肪肝を改善する上で、一番大事なことはアルコールを飲みすぎないことです。
肝臓は沈黙の臓器といわれています。
それは、肝臓は再生能力・代償能力に優れ、ダメージを受けても残った正常細胞が余分に働き、機能を維持するからです。週に二回の休肝日を設けることから始められると良いでしょう。

3.早歩きなどの運動
脂肪は、肝臓にたまった中性脂肪を消費する観点からその摂り過ぎに注意が必要なものの、栄養摂取のバランスを崩しかねないほどの極端な制限は避けるようにします。
脂肪の性質を踏まえながら、一日のカロリーの2割程度は脂肪から摂るようにします。
食事からの摂取する脂肪のバランスは、動物性脂肪(魚類):動物性脂肪(肉類など):植物性脂肪=5:4:1 の割合が最適でしょう。
油の使用量は、1日10g程度を上限にします。中性脂肪を増やす方向に働く「飽和脂肪酸」の多いバターやラードを使うのを控え、血中の悪玉コレステロールを下げる「不飽和脂肪酸」を多く含むオリーブオイルや大豆油に切り替えるのがよいでしょう。
ちなみにコーン油・サフラワー油・ごま油などの「油類」は、アルコール性肝障害によくないとされる「リノール酸」を多く含むため、調理において量を多く使わないようにします。
食物繊維を多く含む食べ物をとることも対策としては大切です。
食物繊維は肝臓のエネルギー摂取が過剰になることを防ぎ、また糖質や脂質の吸収を遅らせる働きもあるからです。

食物繊維は野菜や海藻・キノコ類の他、納豆や豆腐などの大豆加工品、こんにゃくなどに多く含まれています。

サプリメントは「不足する成分を補って、身体の全体的なバランスを整えるサポート役」ととらえていただき、食品から幅広い栄養素をとりいれることをオススメします!
肉・炭水化物・魚・野菜などのバランスがとれた食事を通じて、微細なビタミン・ミネラルを含めた様々な栄養成分をまんべんなく摂ることが、身体の免疫力・抵抗力を高めてくれます。

成人が一日に必要とする摂取カロリーは、一般に1,600カロリー程度と言われていますが、目安として「体重1キロあたりおよそ25キロカロリー」で考えておくとよいでしょう。

たとえば体重60キロの人は、25×60=1500キロカロリーが、一日の摂取カロリー量のおおよその目安となります。もちろん、運動によって過剰に蓄積されたカロリーを消費していくことも大切です。

脂肪肝対策としての食事療法はもちろん大切ですが、あくまで「食事療法と運動療法の二本柱」の実行が、最大の効果をもたらすことをしっかりおぼえておきましょう。

食事の内容を見直しつつ運動の機会を増やして、体重の7%程度を減量することにより、脂肪肝の状態はかなり改善してくるはずです。

ご参考になれば幸いです。