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シーズー14歳、7歳のときに僧帽弁閉鎖不全症と診断され...
宜しくお願い致します。
シーズー14歳、7歳のときに僧帽弁閉鎖不全症と診断され...
獣医師への相談
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相談者:40歳/女性
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相談日:2017年08月04日
- 相談者40歳/女性
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宜しくお願い致します。
シーズー14歳、7歳のときに僧帽弁閉鎖不全症と診断され薬を飲み続けていて最近は日中でも咳が増えてきたのでエックス線、エコー検査をしましまが心臓はそんなに肥大していない、雑音もそんなには聞こえない、咳は心臓からではなさそうとのことで肺も特に異常はなく気管支炎でもないとのことでハッキリとした咳の原因がわからないまま強めの咳止めシロップが追加になり薬を続けています。
原因は定かではないけど首にも脂肪がかなりある肥満犬なので脂肪で喉が圧迫されてる可能性があるから痩せさせるようにと言われました。
食事は減らしていますが毎日、不思議に思うことがあります。
どんなに咳をしていてもごはん、おやつをあげると咳が止まります。
仰向けで足を広げながら咳込んだり横向きで寝転びながら咳込んだり、咳をしながらよくおならまでしています。
普通は咳が出ている間は苦しくて仰向けでゴロゴロ、横向きで寝ながら咳はできない気がするのですが、咳が心臓からではないから仰向けになったりできるのでしょうか?
また、シロップは飲ますと寝てしまう薬で名前はわからないのですが、このような薬を毎日飲ませても大丈夫でしょうか?
暑さでハァハァと長い時間するときも心臓を休ませたくて1ミリリットルのところ0.5ミリリットルに減らして飲ませたりしています。
長文になりましたが宜しくお願い致します。
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獣医師からの回答
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こんにちは、回答までお待たせいたしました。
僧帽弁閉鎖不全症で、投薬管理をつづけていらっしゃる状況なのですね。蒸し暑い季節で、なにかと気を使われていることとお察しいたします。
まず、僧帽弁閉鎖不全症のワンちゃんでは大きくなった心臓や肺に水が溜まることが主たる原因になって咳が出やすくなります。
しかしシーズーのような犬種ではそれ以外にも、気管の形状を構成する軟骨が加齢による経年劣化でへたって咳の原因になったり(気管虚脱と呼ばれます)、呼吸器の粘膜の乾燥により刺激に敏感になったりと、咳を引き起こす要因が多岐に渡ります。
僧帽弁閉鎖不全症の悪化が原因でない限りは、咳の原因を特定することが困難であることも多く経験します。何よりも咳が続くことで心臓に負担がかからないように、対処療法を行うことを最優先にします。
さて、ご質問への回答となりますが、「咳」という症状は、交感神経と副交感神経のバランスによっても調節されています。
ざっくりとした説明になりますが、人間や犬の体内では、体を緊張状態にする交感神経・リラックス状態にする副交感神経がシーソーのように時々によって片方が優勢になりながらバランスをとっています。
何らかのきっかけで咳が誘発されると交感神経が優勢になり、体は緊張状態に陥ります。また交感神経が優勢の状況では咳が続きやすくなります。また僧房弁閉鎖不全症など、心不全がある状態でも交感神経優勢になることがわかっているので、咳が出やすくなる素因がそもそもある状態とも言えます。
いま処方されている咳止めのシロップは、おそらくブトルファノールと呼ばれる薬品が含まれるものと推測します。これは交感神経・副交感神経のさらに上流にある中枢神経(脳)に働きかけて、体をリラックス状態にもっていく薬品で、メインの効果は沈静効果になりますが、咳止めとしても有効です。
僧帽弁閉鎖不全症と診断されているワンちゃんで咳が続く場合によく使われる薬です。
用法用量を守り、定められた上限を超えて使わなければ、安全に咳を止めかつ心臓にも優しい状態をもたらします。(心臓の治療にはなりません)
相談者さまのワンちゃんでは、咳をしながらも横になっていられるということですが、お話を聞く限りでは咳は出ているがまだ体に余裕がある状態と推測されます。
おっしゃる通り、本当に体がしんどい時には横向きやあおむけになることができません。
ただ、咳が出やすい体の状況はあるため、出てしまうのかもしれませんね。
またごはんやおやつを食べると止まるとのことですが、これは想像の範囲を超えないのですが、おそらく食後には一般的に副交感神経優位になること・食べることが好き(好きなことをするとリラックスする)ことで、交感神経・副交感神経のバランスが咳が止まる方に傾くのでは、と考えます。
(ただし、食べ物が喉を通るときの物理的刺激から咳が出る場合もあります)
長くなりましたが、参考になりましたら幸いです。
お大事になさってくださいね。
- 相談者40歳/女性
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とてもご丁寧なわかりやすいお返事ありがとうございました。
お返事を読んでいて思い出したのですが、診察のときに先生が咳は神経かな?と言ったことがありました。
ただそのときは神経についてなにも知識がなかったので神経で咳?先生はなにを言っているんだろうと思っていたしたが、神経からの咳についても知ることができて本当に良かったです。
シロップもとても効果があるので使用することで心配もありましたが、これからもわんちゃんが楽に生活できるように薬を上手に使っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。