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56歳男性です。甲状腺機能低下症に関するご相談です。今年に入りチラージン50を飲...

医師への相談

相談者56歳/男性
56歳男性です。甲状腺機能低下症に関するご相談です。今年に入りチラージン50を飲んでいますが、症状の一部が改善していないため(便秘、肩こり、脳の認知低下)8月下旬に下垂体が出すホルモン検査を行いました。結果はTSH0.29、コルチゾール 前12.2、ACTH 前31.0 DHEA-s278ソマトメジンC164 でした。因みに、甲状腺ホルモン関連ではFT4 0.8 Ft3 3.1 TgAb 15.9 TPOA b 28.0以下 サイログロブリンⅡ32.23でした。主治医からは「橋本病」ではなく、中枢性甲状腺機能低下症の疑いがあるとのことで、チラージンに加え、「コートリル10」を3ヶ月分処方されています。①「橋本病」ではないことは確かですか。②「コートリル10」を3ヶ月分も処方され、症状に改善がなければ下垂体の機能が低下していることを見極める必要があると言われています(MRIの検査では下垂体に異常はありませんでした)、次の治療法は何になるのでしょうか。③3ヶ月もの間、TSH、FT4、FT3の血液検査を行わなくても構わないのでしょうか。
中田先生からの回答
質問ありがとうございます。
①TSHが低値であり、橋本病の自己抗体も陰性であり、中枢性甲状腺機能低下症の方が強く疑われる状態です。ただし、厳密に橋本病を否定するのであれば、甲状腺エコーを行い、びまん性甲状腺腫が存在しないことを確かめる必要があります。

②通常は、コートリルを内服する前に、下垂体機能の低下を確かめる負荷試験(注射で薬剤を投与し、ホルモンがどのように変動するかをみる試験)を行い、その結果コルチゾールの反応が弱ければコートリルを投与するという流れになります。
しかし、今回は診断的投与、といいますが、先にコートリルを投与してみて、それで調子が良くなればコルチゾールが足りなかったという診断がつく、という方法をとられたようですね。
ですので、主治医がおっしゃるように3か月投与して変化がないようなら、入院の上、先述した負荷試験を行い、下垂体機能の検査を詳しくすることになるのではないでしょうか。
その結果、下垂体機能が低下していれば、低下しているホルモンを補充することになりますし、下垂体機能が低下していなければ、今の症状の原因は他にあるということで他の疾患の検索を開始するとともに、コートリルの補充は中止するということになります。
なお、下垂体から出るホルモンは6つあるため、それらの6つの一部が低下しているのか、全部が低下しているのかを調べるためにいくつか負荷試験を行い、不足しているホルモンについて補充を行う事になります。


既に何度か採血を行って、甲状腺機能が正常に保てるチラージンの量が決定しているのであれば、3か月間採血を行わなくても大丈夫です。
チラージンの必要量は一度決定してしまえば、だいたい1年~半年に1回くらいの検査しかしなくなります。
相談者56歳/男性
有難うございました。