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元保護猫のオス猫を飼っています。1歳で引き取り、1歳半で去勢しました。とても人懐...

獣医師への相談

相談者33歳/女性
元保護猫のオス猫を飼っています。1歳で引き取り、1歳半で去勢しました。とても人懐こい性格です。
引き取った当初から、排便の後半に血と粘液が混ざったものが付着することがありました。病院にかかりましたが、心配するほどの症状ではないとの診断でした。

1ヶ月前、コロコロして少量の血がついたウンチをした数分後に床に伏せて苦しそうな(目を閉じ、息が荒い)ことがありました。横たわったまま、軟便と血便を少量漏らしました。10分すると食欲も仕草もいつも通りになりましたが、念のため通院。処方された整腸剤を10日ほど飲ませたところ、症状は出ませんでした。
1ヶ月経った昨日、同じく血のついたコロコロうんちを出した1〜2分後に四肢を投げ出して床に横たわりました。粗相は無いものの、呼吸も荒く、目が開いて瞳孔が開き気味でした。数分するといつも通りに戻ったため、様子を見る事に。
そして今朝、また血のついたコロコロうんちをした1〜2分後に四肢を投げ出して横たわりました。瞳孔は開き、開口呼吸で荒く、涎がこぼれ、痙攣はありませんが肉球は普段より赤くなっていました。1ヶ月前と同じく粘液状の少量の血と軟便が漏れ、吠えるような声で「アーオ!アーオ!」と数回鳴きました。5分ほどで口を閉じた呼吸(普段より荒め)になり、更に5分経過すると深呼吸をして起き上がり、毛繕いを始めました。疲れたのかベッドで眠ってしまいましたが、起きれば食欲もあり遊びの催促もして元気な様子でした。
便持参で診察を受けた所、便には異常なし。心臓肥大も見られず、心筋症の可能性も薄いとの所見。てんかん発作の可能性が高いとのことで、整腸剤と抗てんかん薬が処方され、投薬治療をすることになりました。

・考えられる病気は何でしょうか?FIP(ドライ)等の病気だったらと不安です。病気を見極めるための兆候などありますか?
・いつも排便後1〜2分で症状が出るのですが、何が原因で、投薬以外に予防する手段はあるでしょうか?
・1ヶ月前と今日は、いずれも前日に肛門腺の掃除(黒いカスをピンセットで取る。逃げるのを押さえつけてしまいました…)をしました。前日に受けたストレスが原因になっているのでしょうか?
・今後の生活で気をつけるべきことはありますか?
苦労が多かった子なのでまだまだ幸せや安心をたくさん感じて欲しいし長生きしてもらいたいです…よろしくお願いします。
獣医師からの回答
こんにちは、回答までお待たせいたしまして失礼しました。
ご相談を拝読いたしました。

今までに3回(それぞれの間隔は1か月ほどずつあいている)、
「血液が付着する硬い便をする」
「その直後に横たわる、目を見開く、呼吸が荒くなるといったいつもと違う症状が出る」
「しばらくすると回復して、また1か月ほどは問題なく過ごす時間がある」
という理解でよろしいでしょうか。

まずドライタイプのFIPについては、恐らく飼い主さまの中で野良猫ちゃんだった時代があることから頭にあるご心配なのかとお察しします。
FIPのドライタイプでは確かに中枢神経系の麻痺を起こす場合がありますが、感染症での症状は発症した場合に「進行していく」という場合が多くなります。つまり、どんどん症状の頻度が高く、激しくなっていく…というイメージになります。
いまお伺いする範囲では、症状が出るときと出ないときでハッキリと区別があり、またその間隔も1か月と長いため、典型的な所見ではありません。またFIPの場合には、食欲不振や元気消失、血液検査上での肝臓の数値の悪化などその他にも疑わしき所見が拾われます。
完全に否定することはこの場の性質上難しいのですが、可能性としてはさほど高くないのではと考えます。

「吠えるような声で「アーオ!アーオ!」と数回鳴きました。5分ほどで口を閉じた呼吸(普段より荒め)になり、更に5分経過すると深呼吸をして起き上がり、毛繕いを始めました。疲れたのかベッドで眠ってしまいましたが、起きれば食欲もあり遊びの催促もして元気な様子でした。 」

という、若い猫ちゃんでの症状あり―なしがはっきりと分かれる状態について、心疾患が除外されるのであれば、やはりかかりつけの先生がおっしゃるように、てんかん様発作をはじめとした神経疾患によるものが次に挙げられると思います。
ちなみに神経疾患を診断するためには全身麻酔を伴うMRI検査が必須になるため、猫ちゃんでは検査そのものがとてもリスクが高くなります。まずは投薬に反応するかどうかで確かめることが、動物医療ではほとんどかと思います。

また、症状がない時期については、便のかたさなどには問題がないでしょうか?あるいは、その子の体質としてたまに便がかたくなりがちで(便秘の一環)、排便するときに切れてしまったり、きばって出すためにそのような症状が出ることも可能性として考えられます。
猫の便秘に対しては、可溶性繊維を含むフードを使うことで便が適度に水を含んでスルリと排便されるようにキープすることができます。あわせてそちらもお試しいただいてもよろしいかもしれません。
ふだんの生活で気を付けるとしたら、こちらでしょうか。
また、ストレスに関しても可能性のひとつになりうるとは思います。
一旦やめてみて、症状との関連性がないかどうか確かめてみてはと思います。

ご参考になりましたら幸いです。お大事にしてくださいね。
相談者33歳/女性
回答ありがとうございます。
相談文が長くてわかりにくく申し訳ありません。1回目は1/10、2回目が2/25、3回目が2/26でした。急に2日連続になり、また、2回目まで見られなかった開口呼吸や鳴き叫ぶといった症状が3回目で見られたので、悪化かつ頻度が高くなっているのではと心配した次第です。ただ、発作が起きている時間以外は元気で、よく食べ飲み遊び甘え、体重も変化なし(5.6kg)なので、1回目の発作からの1ヶ月の間に体調が悪化した印象はありません。

2/26はレントゲンで「心臓肥大しておらず心筋症ではない」との所見でしたが、今日、血液検査の結果から「心筋症のマーカー値が、猫は正常100以下なのに600ある。原因は排便による血圧変動での心臓発作」との連絡がありました。正直、急な診断の変化に戸惑っています。
「大学病院で精密検査をするか、投薬で様子を見るか(当院はエコー検査に精通してないので精緻な検査はできない)」とのことでしたが、大学病院が遠くて本人のストレスになるのが怖く、まずはかかりつけ医での投薬をお願いしました。
整腸剤と抗てんかん薬は引き続き服用させて良いとのことでした。

・心臓肥大が見られない場合、どの心筋症なのでしょうか。また、排便時に心臓発作が起きている状態は、心筋症ではどのくらいの進行度で、投薬後の予後はどのように考えるべきですか?
・狭いところ、知らないところが大嫌いでパニックになる子ですが、それでも大学病院ですぐに精密検査を受けさせるべきでしょうか。
・今は便の硬さは普通なのですが、教えていただいた可溶性繊維フードを与えることで便を柔らかくすれば、心臓への負担は減らせるでしょうか?
・抗てんかん薬、整腸剤は与え続けるべきでしょうか?

急に診断が変わったことへの戸惑いと、また、心臓発作と聞いて、すぐにでも急死してしまうのではないかととても怖いです。
追加で教えていただきたく、お願いいたします。
獣医師からの回答
こんにちは。

心肥大がみられない場合、

心筋に線維化がみられる心筋症「拘束型心筋症」

心室の収縮力が弱くなって心室の内腔が広まってしまう「拡張型心筋症」

が挙げられます。

また進行度は様々です。急に悪くなる猫もいれば、進行がとてもゆっくりの猫もいます。

進行した場合は、予後は厳しいことが多いです。

一般病院では、検査に限界があるため、大学病院で専門医への受診をオススメする場合もあります。
一度、主治医の獣医師と、猫ちゃんの性格や、今の状態からどうするべきか相談されても良いかもしれませんね。


便が柔らかくなり、排便時に無理なりきみがなくなるようであれば、心臓への負担は減るかと思います。

今、処方されているお薬については、処方してもらっている獣医師に確認していただく方がいいです。


大学病院にすぐに受診するのかを迷っておられるのなら、もう一カ所ご近所の動物病院でセカンドオピニオンを受けられるのも良いかもしれません。