後陣痛の症状

分娩後、大きくなった子宮が元の大きさに戻るために規則的な収縮を繰り返すために起こる後陣痛は、産褥後に見られる望ましい経過です。
  
子宮が妊娠前の状態に回復するための生理的現象で、ほとんどの人が産後に下腹部に痛みを感じます。初産より経産婦の方が強い症状がでる傾向にあり、授乳により痛みが増すといわれています。
  
通常は分娩後3日から4日目あたりに痛みが治まりますが、長い人では1週間続くこともあり、痛みの強さや長さは個人によりさまざまです。痛みが続く場合は、後陣痛以外の病気による下腹部痛のこともあるため、早めに医師の診断を受ける必要があります。

後陣痛の原因

後陣痛は、物理的原因と薬剤に関連した原因により起こります。物理的原因とは、分娩後に胎児や胎盤などが娩出されたことにより子宮内圧が消失されることです。子宮内のものが娩出されると、子宮は自動的に元の大きさになるために急速な収縮を始め、その収縮に痛みが伴います。
  
薬剤に関連した原因とは、プロスタグランジン、オキシトシンなどの薬剤による痛みです。プロスタグランジンとは血圧低下の作用がある生物活性物質で、オキシトシンは子宮収縮薬や陣痛促進剤にも使われる末梢組織で働くホルモンで、ともに子宮の収縮を促します。妊娠・分娩時に服用した薬剤や放出されたホルモンが作用し、子宮収縮を加速させて痛みが増すと考えられます。

後陣痛の治療法

後陣痛は生理的現象であるため、予防をすることは難しいでしょう。しかし、痛みは子宮の回復によるもので、いわば産褥期の正常な過程であることをよく理解して不安を取り除いておく必要があるでしょう。
  
また、プロスタグランジン、オキシトシンなどの薬剤を服用する妊娠高血圧症候群にならいように注意することも必要です。後陣痛になってしまった場合は、無理をせず、安静に過ごすことが大切です。痛みがひどい場合は、医師に相談して鎮痛剤を処方してもらいましょう。