上腕骨骨幹部骨折とは
肘から肩にかけての腕の骨を上腕骨といい、肩に近い部分を近位部、真ん中を骨幹部、肘寄りを遠位部と呼びます。上腕骨骨幹部骨折は、肘と肩の中央付近を骨折したことです。上腕に何らかの強い力が加わった場合や、地面に手や肘を強くついた場合に起こります。
上腕骨骨幹部骨折の症状
上腕骨骨幹部骨折の症状としては、腫れ、痛み、皮下出血、炎症、変形、発熱などがあげられます。また、手首や指が伸ばせなくなったり、腕を外側へひねり回す運動ができなくなったりします。骨折の起きた時の力のかかり具合などによって、骨折線のタイプは異なります。直達外力による骨折の場合は骨の長軸に対して垂直に折れる横骨折、外力が大きい時は2つ以上の骨片になる粉砕骨折になります。
また、腕相撲や投球の際、あるいは手をついて強く倒れた時には、垂直ではない方向に折れたり、回転の要素が加わったりします。上腕骨骨幹部骨折は、乳幼児や中学生に多くみられる症状です。
上腕骨骨幹部骨折の原因
上腕骨骨幹部骨折が起こる主な原因は、上腕の中央部分に何らかの強い圧力がかかることです。転倒、転落、交通事故、スポーツなどの場面で起こりやすい骨折です。軽い転倒であったとしても、上腕部を打ちつけて上腕骨骨幹部骨折が生じるケースもあり、骨粗鬆症の人は骨折に至る可能性が高くなります。スポーツが原因となる場合として最も多いのは、投球の動作や腕相撲、柔道の投げ技などです。この場合は、直接骨に力が加わるのではなく、スポーツの動作などで筋肉が引き合って骨に捻転力がかかります。通常ではかからない方向に圧力が加わるため骨折が起こります。
上腕骨骨幹部骨折の治療法
上腕骨骨幹部骨折を防ぐためには、丈夫な骨のために十分な骨密度を維持することが必要です。食生活においては、骨を作るたんぱく質、カルシウム、ビタミンDやKをたくさん含んでいる食材を積極的に取り入れることが大切です。バランス良い食生活が丈夫な骨を作ります。ダイエットによる極端な食事制限、過度な飲酒や喫煙を控えることも骨折の予防につながります。生活面では、転倒をしないような工夫が効果的です。家の中の段差をなくしたり、階段などには滑り止めや手すりをつけたりすることで転倒防止につながります。
治療は保存療法が行われます。
ひびのが入っている状態(不全骨折)では、体幹固定を行います。
完全骨折の場合は吊り下げギプス法が用いられるでしょう。
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