側頭骨骨折とは
側頭骨骨折は側頭部の打撲による骨折です。側頭骨には多くの神経が通っており、その部位に損傷を受けると顔面麻痺や難聴、めまいなどさまざまな神経障害が生じます。耳の病気とのつながりも大きく、打撲や頭部の傷だけでなく神経や耳に関する病気も発症するリスクが高まるため、注意が必要です。
側頭骨骨折の症状
側頭骨骨折の症状は、軽症から死に至る場合までさまざまであり、また骨折した向きによっても変わってきます。横骨折の場合は、内耳と内耳道を損傷するために、高度の顔面性麻痺が起こります。また、末梢前庭性めまいや難聴などが生じます。縦骨折の場合は外耳道や鼓膜を損傷するので、鼓膜が傷ついたり鼓室内出血、伝音難聴、顔面神経痛が起こります。
側頭骨には聴覚神経や平衡感覚神経、顔面神経など多くの神経が通っており、そこに衝撃を受けることによりさまざまな神経障害の症状や、意識障害、また耳から細菌が入って感染症を起こすこともあります。
また耳から、脳脊髄液や外リンパ液などが漏れて水のようになり溢れ出てくることもあります。
また、バトル徴候と呼ばれる耳介後部の斑状出血が起こることもあります。
側頭骨骨折の原因
側頭骨骨折の原因としては、交通事故や転落事故、横転事故や野球の硬式ボールなどが飛んでくるなど、さまざまな状況において、側頭骨に衝撃を受けることにより起こります。頭部は打撲などの傷も負いますが、側頭骨には顔面の筋肉をつかさどる神経や平衡感覚の神経、聴覚の神経など多くの神経が通っている場所のために、さまざまな神経障害が出てしまいます。
子供の側頭骨骨折においては、スポーツや遊んでいる最中に起こる怪我などが原因となることが多いです。高齢者の場合はベッドから転落したり、階段で足を滑らせて落ちたり転んで側頭骨骨折を負う場合があります。
バイクの横転事故なども、こうした側頭骨の部位を骨折する危険が多くなります。
側頭骨骨折の治療法
側頭骨骨折の予防として、常日頃から事故や怪我に注意して過ごす心がけがまず大切です。自転車やバイクに乗る時やスポーツによっても、ヘルメットが側頭骨を守ってくれる装備につながります。
また子供の骨折を防ぐためにも、ベッドやベランダには柵を張り巡らしたり、高所で行動する際には周囲の大人が見守ることが予防になります。
雨の日の階段は、特にコンクリートの場合は滑りやすいので注意が必要です。歩きやすい靴を履きましょう。
また自動車やバイク、自転車に乗る際には、周囲を注意しながら常に安全運転を心がけることも大切です。
治療は、まず顔面神経損傷,難聴および髄液漏の処置が基本となり、手術が行われたり、ステロイド投与などの保存的治療が行われます。
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