顔面骨骨折の症状

顔面骨骨折をした時の症状は骨折部位によって異なりますが、それぞれ特有の変形以外に、眼に関する症状、顎・口腔に関する症状、鼻に関する症状、知覚障害が出現します。
頬骨骨折では、眼球陥没、眼球の運動障害・複視、開口障害、鼻出血、眼窩下神経領域の知覚障害などをきたします。鼻骨骨折では外鼻の変形が主要で、腫脹・痛み、鼻閉を伴い、鼻出血が必ず起こります。上顎骨骨折は、4型に分類され、型によって引き起こる症状は異なりますが、鼻出血、咬合異常はどの型でも起こります。眼球陥没・突出や眼球運動障害、歯の知覚障害などが起こることもあります。下顎骨骨折も同様に、骨折部位によって出現するものが異なりますが、開口障害、不正咬合はどの部位を骨折しても起こるとされており、それによって咀嚼の障害、流涎などが起こります。

顔面骨骨折の原因

顔面骨骨折の原因としてもっとも多いのは、交通事故によるもので、約80%は前頸部に関するものです。
その他に転倒や衝突などによる不慮の事故、スポーツによるものが多いですが、特徴的であるのは暴力行為などによる故意の損傷によるものも多いという点です。その他には作業中の事故(労災事故)なども挙げられます。
頬骨弓骨折はスポーツや喧嘩などによって側方から力が働いた場合に発生します。眼窩壁骨折は、肘などの比較的小さな部分が当たるなどでも発生することがあります。ブローアウト骨折は、眼窩内圧が上昇し紙のように薄い眼窩下壁や内側壁が破裂骨折し眼球運動障害を起こす骨折ですが、ボールや拳が眼にあたり打撲する事によって起こります。

顔面骨骨折の治療法

顔面骨骨折の原因として、交通事故がもっとも多い為、車を運転する人は安全運転を心掛けることが予防の為必要と言えます。また、自転車やバイクに乗る際にはヘルメットをかぶり、頭部・顔面を守る事ができるようにすることも予防の一つと言えます。
顔面骨骨折の原因として暴力行為などの故意の損傷で起こることもあるので、そのような場面を避けるようにします。激しいスポーツをする時、衝突する可能性があるものであれば、頭部・顔面などを保護する用具を使用するスポーツであれば、適切に使用しプレーする事が大切であると言えます。また、転倒によって頭部・顔面を強打しないように、歩く時には、すぐに手を出せるように片手でもあけておくようにする事も予防になります。
治療は骨折の程度にもよりますが、転位などがあれば手術が行われます。