膀胱の損傷とは
尿意があるのに尿がでないといった症状の場合には膀胱損傷を疑ってみる必要があります。交通事故や労働災害、スポーツ、手術などの原因によって引き起こされる病気です。血尿や恥骨上部痛が生じることもあります。骨盤骨折に伴うものが最多の原因になっており、膀胱が変形したり他の臓器へ尿が漏れる場合などがあります。
膀胱損傷の症状
下腹部に痛みがある場合や排尿困難、排尿不能、血尿、骨盤骨折などがみられれば膀胱損傷を疑います。最初は鈍い痛みですが、だんだん圧迫感を感じるようになったり、膀胱が破裂してしまうほど悪化する場合もあります。腹腔内で交通している場合には尿が他の部位に漏れてしまう場合もあります。血尿と排尿困難が症状としては多くみられます。膀胱の底の筋肉が損傷を受けると排尿をコントロールできなくなり、尿失禁がおこります。外傷から感染した場合には排尿の変化や発熱が起こりえます。
膀胱損傷を治療せずに放っておくことで感染や尿失禁などが起こりやすくなります。尿意ががまんできなくなる状態になってしまうこともあり日常生活に困難をきたす可能性があります。
膀胱損傷の原因
膀胱損傷の原因としては自動車事故や転落事故などで骨盤部を損傷することで発症するのが多くみられます。骨盤部や下腹部の検査や外科手術によって膀胱が傷つけられることでも発症する場合があります。労働災害やスポーツ時の事故などでも発症しますし、高齢者の前立腺肥大症から発症する場合もあります。
飲酒後に転んだり、喧嘩して蹴られたりした場合にも起こりえます。膀胱が尿で膨らんでいる時に外部から圧力を受けると損傷を受ける可能性が高くなってしまいますし、完全に治るまでは尿を膀胱にためないようにして膀胱への負担を減らすことが必要なため、入院が必要になります。合併症で腹膜炎を起こすと命の危険性もあります。
膀胱損傷の治療法
突発的な事故が原因で発症することが多いため、膀胱損傷を予防することは難しいのですが、他の治療によって尿がでにくくなっていたり、尿がもれたりする場合には原因となる病気を優先的に治療する必要があります。また、感染などを起こさないように、はやめに治療を行うことが大切です。
腹腔内破裂があれば、手術によって修復が必要となります。
膀胱管理として膀胱容量や内圧をコントロールしたり、水分を調整して膀胱を定期的にカラにしたり、導尿といって膀胱に尿をためないようにする治療法もあります。重症化させないためにも適切な治療が必要になります。
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