ハチ刺傷とは
ハチ刺傷とは、主に毒性の針を持つハチによる刺傷ないし繰り返し刺傷されたことによって、局所・全身に生じるアレルギー作用全般をさす症状とされています。スズメバチやアシナガバチなどハチ刺症で問題になるハチは凡そ20種類存在し、毎年、死亡に至るケースも数多く報告されています。
ハチ刺傷の症状
ハチ刺傷の症状は攻撃性・毒性の違いから種類によって一様ではありませんが、共通する主なものとしては、刺された個所の激痛や局所の発赤、腫張などがあげられます。これに加え、大型のスズメバチや多数のハチによって刺されると、ハチ毒による中毒症状が生じ、頭痛、発熱、嘔吐、下痢、呼吸困難や全身の痙攣といったものがあらわれ、最悪の場合、死亡に至ることもあります。死亡例の多くはアナフィラキシーショックと呼ばれる抗原抗体反応によるもので、過去に一度ハチ刺傷を経験した患者が、再度ハチに刺されることで発症します。ハチによる刺傷後、凡そ15分から20分ほどで発症します。また、最初のハチ刺傷の際、局所の症状が激しかった場合はアナフィラキシーショックの発症率が高まるとされています。
ハチ刺傷の原因
ハチ刺傷の原因は一貫して毒性の針を持つハチによる刺傷と限定されています。特に死亡例の多いアナフィラキシーショックは過去数回に渡って刺された結果、発症に至る症状として認知されています。毒性・攻撃性がもっとも強いスズメバチからアシナガバチなど発症原因となるハチは多数存在しますが、人を刺すハチは基本的に全てメスバチです。
メスバチの針には種類によって成分が若干異なる毒液があり、炎症などをおこす活性アミン類や発痛ペプチド、アレルギー反応の抗原となる酵素類が基本的に含まれています。
この毒液が針を通して人体に注入されることで、刺傷による局所・全体的な症状があらわれるようになり、重篤な場合はアナフィラキシーショックがあらわれるようになります。
ハチ刺傷の治療法
ハチ刺傷を予防する一番の方法は、常日頃からハチに近づかないよう心がけることです。ハチの活動が活発になる夏から秋にかけては特に注意が必要で、うっかり巣に近づこうものなら集団で襲いかかってきます。また、ハチ単体であっても不容易に刺激を与えると、積極的に攻撃してくるのでその場からゆっくり離れることが重要です。
ハチは主に人家の軒下や庭の植木、生け垣の周囲、郊外の森林周辺に現れ、また巣を作るようになります。特に、近年ではハチの生息域が人里にまで降りてきているので、条件が合ってさえいれば容易に発見することができます。
巣などを発見した場合は近づかず、専門業者に駆除を依頼することが大切です。
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