症状

熱傷後瘢痕部掻痒感の症状はどういったものなのでしょうか。
それは簡単に言えば、冒頭でも述べました通り、やけどしたあとの傷痕に生じる強い痒みのことです。やけどをしたあとには瘢痕という傷痕ができます。この瘢痕は一般的には色素沈着を起こして褐色の色がついたり、色素脱出してしまって白く色が抜けてしまったりすることがあります。
瘢痕によってはひきつれを起こしたり、硬くなったり、時には切れてしまったりすることもあります。この瘢痕に強い痒みが生じて掻痒感が発生するのですが、痒みだけでなく痛みも生じる場合があります。この痒みはやけどのひどさに応じて強くなる傾向があるようです。

この痒みや痛みは人によって異なりますが、1年から2年程続く場合があると言われています。傷痕が完治してもしばらく残ってしまう痒みのため、体の内部からの痒みとなり、その不快さは苦痛を伴うものだとされる程です。あまりにも強いかゆみのために、寝ている間に患部をかきむしってしまい、朝起きたら布団やシーツなどの寝具、パジャマ、患部やかきむしった手が血だらけであったということもあるようです。それほど強いかゆみが生じるということで、不眠に陥る人もいる程、精神的にも肉体的にも大きな影を落とすような症状が出るということは特筆すべきところであります。

原因

熱傷後瘢痕部掻痒感の原因は、一体なんなのでしょうか。
続いてはその原因についてみていきたいと思います。まず大元の原因としては、火傷をすることが原因となります。熱傷後瘢痕部掻痒感の名前から見てもわかるように、やけどをすることによって熱傷後瘢痕部ができます。
これはつまりやけどをした後にできる痕のことを言います。

では、なぜ熱傷後瘢痕分掻痒感のように痒みを伴ってしまうのでしょうか。その原因について探っていってみましょう。
熱傷後瘢痕部掻痒感は、比較的重度のやけどをしてしまった時に発症してしまうことが多いようです。ここに痒みの原因があります。皮膚は何らかの原因で傷ができてしまうと、再生しようとします。
そして、大抵の傷はその再生機能によって正常に再生することができます。ただ、重度のやけどの場合は皮膚の深い層までダメージを受けていることがほとんどとなります。この場合、皮膚の再生機能は軽度の場合と異なり、肉芽組織を形成してしまいます。
この肉芽組織が痒みの鍵を握っているのです。この肉芽組織が皮膚を再生させようと頑張ることによって引き攣れが生じます。そして、その引き攣れが痒みの原因になっているのではないかと考えられているのです。

予防・治療法

ここまで熱傷後瘢痕部掻痒感の症状と原因についてみてきましたが、熱傷後瘢痕部掻痒感を予防することはできるのでしょうか。
一番大きな予防法としては、そもそもやけどをしないことが挙げられます。日頃から火の取り扱いには気を付け、やけどをしてしまう状況を減らすことが重要です。
ですが、もしもやけどをしてしまったとしたら、早急に応急処置をしましょう。それによってやけどが軽度で済む場合もあります。傷口ができてしまうことは仕方がありませんが、この際それえは後のことと割り切り、やけどを軽度で済ませるようにすることが必要です。
また、もし重度のやけどをしてしまって熱傷後瘢痕部掻痒感の症状が出てしまったのならば、その症状を軽減させることが必要になってきます。

かゆみを軽減させるために外用薬を使用しますが、特効性は確認されていないため、その効果の程は不明です。一部ではヨモギローションが効くという説もあるようなのですが、こちらについてもまだはっきりとした効果については不明です。肉体的な面から言うと、このような軽減策が存在しますが、それだけでなく、かゆみに意識が向かないように精神面においてのケアを行うことも、かゆみを軽減させるために必要であす。