多形滲出性紅斑の症状

赤い部分が皮膚から突出し、中央が少しへこんだ楕円形の紅斑が不規則に出ます。多くは手足に発症します。多形滲出性紅斑は発症しても、痛みやかゆみがない場合もあります。

症状が重くなってくると、紅斑のある部分に痛みを感じるようになります。重篤になると体中の複数の臓器に同時に発症します。口内の粘膜、外陰部、眼粘膜の炎症、発熱、水疱、びらん(皮膚の一部がはがれたようになってしまうこと)を起こすことがあります。

びらんにまで発展する場合は、命に関わる状態であり、重症度によってスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症と診断されます。

多形滲出性紅斑の原因

多形滲出性紅斑の原因は、複数考えられています。

主な原因は、病原体に対する免疫過剰反応です。ウイルスや細菌、真菌などに感染することで体内の免疫活動が活発になり、健康な細胞まで攻撃してしまうことで炎症を起こします。主にマイコプラズマ、単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルスなどが原因として挙げられます。

その他にも、膠原病や使用した薬などが原因で発症することもあります。

多形滲出性紅斑の治療

多形滲出性紅斑の治療は、主にステロイド薬の塗布や抗ヒスタミン薬の服用です。

多形滲出性紅斑の予防

多形滲出性紅斑は、原因が複数想定されていますが、原因が特定できないこともあります。そのため、必ず予防できる策は今のところありません。

感染症にかかることが主な原因として考えられているため、普段から栄養状況や衛生環境の保全を心がけて、こまめな手洗い・うがいなどを習慣づけることが身近な対策と言えるでしょう。