レイノー現象の症状

レイノー現象では、冷たい水に触れた時や秋から冬、もしくは春先などの寒冷期に手足の指先の血管が発作的にけいれんを起こし血液が流れにくくなってしまうのです。すると指先が蒼白色になり冷たくしびれたような感覚になります。その後うっ血状態からチアノーゼの状態になり指先は青または青紫色に変化、さらに血管が拡張し血流が戻るために赤く変化します。その際痛みやかゆみ、チクチクした感覚などを伴います。
  
レイノー現象は刺激がなくなれば数十分でもとに戻ります。若い女性での発症例が多く、左右対称に起こることも特徴です。重症例では腕や足に網目状の血管が浮かんだり、悪化して指先に潰瘍や壊死が起こることもあります。

レイノー現象の原因

レイノー現象の直接的な原因は寒冷刺激や精神的な緊張を受けた際に手足の血管に起こるけいれん発作ですが、なぜそうした発作が起こるのかという点では原因不明のものと原因となる基礎疾患がある場合とがあります。
  
原因不明の場合はレイノー病、基礎疾患がある場合はレイノー症候群と呼ばれています。原因となる基礎疾患の中では膠原病が多く報告されています。他にも糖尿病や心臓病、循環器や血液の病気など多岐にわたる複数の病気で発症例が見られます。
  
また振動工具を使って作業をする人や頭痛薬を常用している人に発症することもあります。

レイノー現象の治療法

レイノー現象を予防するためには寒冷刺激をできるだけ避けることが基本となります。冷たい水を使わない事や、寒い季節は手袋をしたりカイロを使用するなどして保温します。また精神的な緊張が原因になる場合もあるので疲労やストレスにも気をつけると良いです。
  
原因となる基礎疾患がある場合はその治療を行い、原因不明の場合は血管を拡張させるための投薬や膠原病の治療あるいは外用薬などを長期的に行う場合もあります。症状を繰り返し、指先の傷が治りにくいなど重症化している場合は外科手術を行うこともあります。