妊娠中の貧血とは
妊娠貧血は妊娠中に見られる貧血で、ヘモグロビン11.0g/dl未満、ヘマトクリット33.0%未満である場合をいいます。妊娠中は血漿量が増えることにより血液が薄まり、貧血の状態になりやすくなります。赤ちゃんへ供給する鉄も必要になることから鉄欠乏にもなりやすいと考えられます。
妊娠貧血の症状
妊娠貧血は意外にも自覚症状がないことも多いです。妊娠中の不快症状は妊娠しているから、と思い我慢してしまい貧血になっていることに気がつかない為です。妊婦さんの40%は妊娠貧血になる、と言われているほどおこりやすいものです。疲れやすい、動悸や息切れ、頭痛、立ちくらみといった症状が主なのですが妊娠していたら誰でも起ることですので非常にわかりにくいと思います。
朝が起きるのが急につらくなったり疲れやすくなった、という場合は貧血になっている可能性が高いです。妊娠中の血液検査は必ず受けましょう。経産婦さんはめんどくさがって受けるのを先延ばしにしたりしがちですが第1子の時は大丈夫だったのに第2子の時は貧血と診断された、ということもよく聞きます。
妊娠貧血の原因
主な原因は胎児に鉄分をあげてしまうからなのですが、それだけではなく妊娠すると血液量が増えるのに赤血球の数が増えないのでおこります。赤血球がもともと少ない人は特に早めの対処が必要です。妊娠貧血は軽く考えられがちですが、胎児の発育にも大きく影響を及ぼしますので注意が必要です。発育が遅れ未熟児になってしまうケースや陣痛が微弱になり出産時の出血で意識が朦朧としてしまう、産後の回復が遅れたうえに母乳が出にくくなり退院が遅れたケースもあります。
妊娠貧血の治療法
妊娠貧血は胎児に大きく影響されるので早めに診断すべきものです。なるべく妊娠中に血液検査を行い、診断された方は鉄分の入った錠剤を処方されます。
どうしても薬を飲みたくない、という場合は貧血予防を料理で補うことができます。レバーの他に、あさり、ほうれんそうなど、また最近では鉄分の多く入った健康補助食品もたくさんあります。
タンニンの多いお茶は鉄分の吸収を妨げますのでタンニンの少ない麦茶などを選ぶと良いです。
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