神経鞘腫の症状

神経鞘腫のできる主な場所は、三叉神経、聴神経などです。これらの場所に鞘腫ができると、三叉神経鞘腫では顔面の知覚低下やしびれが起こり、聴神経では、耳鳴りや難聴、ふらつきや目眩が起こり、歩行障害なども症状として出てきます。また、体の表面に近い場所に鞘腫が発生すると、コブができたと見た目にもすぐにわかります。
  
稀ですが、骨内や胸壁、脊髄など、神経の通っている場所ならどこでも発生する可能性があります。発生部位の神経を腫瘍が圧迫するので、強い痛みとなって出ることもあります。
  
主に良性の疾患として認識されていますが、稀に悪性のものもあるので、見極めるには鞘腫そのものの細胞を検査する必要があります。

神経鞘腫の原因

神経鞘腫の原因は、神経の繊維を覆っているシュワン細胞と呼ばれる末梢神経系の細胞が、異常をきたし増殖することによって発生すると言われています。
  
シュワン細胞は身近なケーブル配線を思い浮かべると、わかりやすいです。複数の情報を伝達するケーブルに巻きついて、ケーブルが傷つかないよう保護する鞘の役割をしています。神経鞘腫は、この鞘自体が異常をきたして腫れ上がり、コブになったものです。しかし、これらがどういった原因で起こるのかは解明されていないままです。
  
このような、神経細胞の病変の発症年齢は20代から70代と幅広く、比較的珍しくない病気です。発症する人は多いですが、良性腫瘍がほとんどですので治療は急がなくても大丈夫です。

神経鞘腫の治療法

神経鞘腫が発生する前の予防方法について何が有効なのかは、はっきりしていませんが、神経鞘腫を見つけたからといって慌てなくても大丈夫です。
これらは主に良性腫瘍ですが、稀に悪性腫瘍になることもあるので、定期的にMRI検査などを受けて経過観察をすることが重要です。
  
この腫瘍は、何もしなくても時間と共に縮小することがあります。急に命に関わるものではないので、まずはどんな病気か、知識を積むことが大切です。
万が一、痛いコブができて、神経鞘腫だと診断された場合、大きさや痛みの具合などを考慮し、自分がどう対処すべきかよく医者と話し合って、病気と向き合うことは最大の悪化防止につながります。