ライム病とは
ライム病とは、スピロヘータという細菌を有したマダニにかまれることで発症する感染症のことです。日本では本州中部以北の山間部や北海道に生息しており、家庭の中のダニでは感染しないとされています。かまれた部分周囲の遊走性紅斑と呼ばれる皮疹や、発熱・関節痛・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザ様の症状で発症し、進行すると髄膜炎や麻痺、心筋炎、関節炎などを起こす場合があります。2週間以上の抗菌薬による治療がすすめられています。
ライム病の症状
ライム病の症状は進行の具合によって3つに分類することができます。1つ目は、早期で局所が感染している状態です。胴体や脇の下に赤斑が見られるようになります。痛みやかゆみはなく、およそ3週間から4週間程度で治癒します。
2つ目は、早期で感染が広がっている状態です。感染が全身に広がり、発熱、疲労感、寒気などのほか、筋肉痛を伴います。体調の悪い状態が長く続くので、インフルエンザや風邪と間違えられることが多いです。重症化すると、動悸や失神を起こします。
3つ目は、晩期と呼ばれる状態です。数か月にわたって関節炎を起こし、数年にわたって膝の痛みや腫れを繰り返し、まれに、脳や神経に関わる症状を起こすことがあります。
ライム病の原因
ライム病の原因は主に、ライム病ボレリアです。これをダニが媒介することによって、感染するのです。ダニは温度に敏感で、7℃以上になると活動が活発になります。近年では、地球温暖化が進んでいることにより、ダニの生存率は高まっており、分布範囲も広がっています。このことから、ライム病の原因は、気候変動だと考える学者もいます。
しかし、気候変動による気温上昇だけで、原因を特定するのは難しいです。他の要素として、野生動物の影響も考えられています。近年、北米ではシカやイノシシが増えて、農家の住居を荒らすという被害が相次いでいます。しかし、野生動物は細菌をそれほど、持っていません。人に関連した感染症の中ではとりわけネズミの方が重要です。
ライム病の治療法
ライム病を予防するには、まず、ダニに近づかないようにすることが重要です。森を歩く場合、長袖で色が薄い服を着るようにしましょう。また、道を歩くときは、道から外れて茂みや枝に接触しないように、真ん中を歩くようにしましょう。
もし、ダニに刺された場合は、早急に取り除かなければなりません。ダニを取り除くときは、皮膚にできるだけ近いところで、潰さずに引き抜くようにしましょう。潰してしまうと、感染する危険があります。アルコールや火がついているマッチなどの刺激物も避けてください。
皮膚科へ行って、切除してもらうのも1つの手です。
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