横隔膜ヘルニアの症状

横隔膜ヘルニアにより起こる症状としては、呼吸困難があります。横隔膜が機能しなくなることにより呼吸が阻害され、重症の呼吸不全やあるいは高度のチアノーゼを伴う多呼吸といった病状が起こります。また、胸部が膨らむ一方で、腹部はへこむ身体的特徴が生じます。人工呼吸を行わなければ、身体に重大なダメージを負ったり、あるいは生命に関わることも大きいです。
また、症状が軽い場合でも、吐き気や嘔吐といった体の異常が感じられるようになります。たとえ病状が軽くとも、その後に病状が重体化する可能性が大きいため、横隔膜ヘルニアでは適切な対応を必要とします。無症状のタイプの横隔膜ヘルニアもあり、その場合には適切な治療により治癒ができます。

横隔膜ヘルニアの原因

横隔膜ヘルニアが生じる原因には、外傷が原因となって引き起こされるものや、あるいは先天性のもの、さらには生活習慣が原因となって生じることもあります。外傷により引き起こされるものとしては、胸部への強い打撲が要因になっているケースがあります。また、強い咳をした時に横隔膜が裂ける可能性もあります。
一方で先天性である場合には、胎児の成長期に横隔膜が閉じられなかった場合に、横隔膜ヘルニアが生じます。また、生まれたときには無症状であっても、胸に強い衝撃を受けたりしたときに発症する場合もあるため注意が必要です。さらに、生まれつき、横隔膜が胸骨に付きにくい体質を持った人もいるため、横隔膜ヘルニアを発病する可能性があります。

横隔膜ヘルニアの治療法

横隔膜ヘルニアを予防するためには、まず胸部に対して強い打撲を受けないように注意を払うことが必要です。体質で横隔膜に何らかの問題がある人は特に、胸への衝撃を受けないように、常日頃から気をつけておかなければなりません。また、強い咳で横隔膜ヘルニアを生じることもある事から、咳をする際にはその勢いを弱めるよう心がける必要があります。続く咳であれば、なるべく咳を抑えるための投薬などの対策も必要になってきます。
その他、横隔膜になんらかの異常が見られるようであれば、X線で横隔膜やその近辺の状態を確認することも予防策になります。事前に横隔膜ヘルニアが起こる要因を把握しておけば、病状を発症させないための対策ができます。