先端巨大症とは
先端巨大症は、主に成長ホルモン産生下垂体腺腫により、成長ホルモンが過剰となることで、特有な顔貌・骨肥大・糖代謝異常・頭痛などをきたす疾患です。骨端線の閉鎖前に成長ホルモンが過剰になる場合は身長が高くなるため、下垂体性巨人症と呼ばれ、骨端線の閉鎖後に過剰となった場合には先端巨大症といわれます。治療は下垂体腺腫の摘出術が中心であり、それでも不十分の場合には薬物療法などが行われます。
先端巨大症の症状
先端巨大症では、発育期に発生した場合と発育期が終了した後に発症した場合では、症状に違いが見られます。発育期に発生した場合、性別に関係なく身長に異常な伸びが見られ、2メートルを超えるような症状もしばしば見られます。発育期終了後に発症した場合は、身体の末端部分である手や足の異常な伸び、あるいは肥大化が見られるほか、顔の一部分、例えば唇や額、顎などの巨大化が見られます。
症状が徐々に進行するため、成人以降でも衣服や靴などが合わなくなるなど、通常の成長では考えられないような事態が発生します。
末端部分の肥大化以外にも、視力や性機能の低下が見られることがあるほか、女性においては生理不順や無月経になることもあります。
先端巨大症の原因
先端巨大症は、そのほとんどが脳下垂体腺腫によって引き起こされています。下垂体とは脳の正中部にある、ホルモンの分泌をコントロールしている内分泌器官であり、下垂体から各臓器に対しホルモンの分泌を促します。
脳下垂体腺腫は、この下垂体の細胞の一部が腫瘍化することで、多くは前葉部分から発生し、悪性腫瘍では無いものの成長ホルモンを過剰に分泌する要因となっています。脳下垂体腺腫を発症する原因ははっきりしていませんが、脳下垂体腫瘍を発症する人のうち、半数近くから蛋白遺伝子の体細胞の変異が確認されています。
また、脳下垂体の腫瘍以外に、膵臓や気管支の、カルチノイド腫瘍にともなう下垂体過形成が原因とされるものもありますが、極めて稀な事例です。
先端巨大症の治療法
先端巨大症は、進行が急では無いため、特に家族や友人など、接する機会が多い親しい人間からは、気づかれにくいという特徴があります。このため、以前と比べて顕著な変化を感じた場合、例えば容貌の変化や手足の増大、舌の巨大化などのほか、女性の場合は月経異常なども見られる時は、すぐに病院で受診することが大切です。
定期的な検査を受けることも、予防には効果的です。検査すべき項目は、内分泌系では成長ホルモンの分泌量や血中インスリン様成長因子濃度などです。その他ではX線撮影による骨の肥厚の確認、MRIによって下垂体の腫瘍の有無などを確認します。
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