子宮脱とは
骨盤の中で子宮は、膀胱や直腸とともに、骨盤底筋群という筋肉によって支えられています。 骨盤底筋群の筋力が弱くなることで支え切れなくなり、子宮が膣の入り口よりも下に出てくる場合を指します。出産直後のものは、子宮の収縮とともに自然と改称されることが多いですが、高齢者に見られるものでは、骨盤底筋群のトレーニングが有用とされています。
子宮脱の症状
子宮が下がった状態の中でも、軽度で膣内で下がった状態は「子宮下垂」といい、膣口から子宮が体外へ飛び出した状態が、「子宮脱」です。子宮脱には、子宮の一部が膣から出る「部分子宮脱」と、子宮全部が出て膣口からぶら下がってしまう「完全子宮脱」があります。子宮は膣の壁とつながっているため、子宮が下がったことによって、膀胱や直腸も影響を受けます。
膀胱が飛び出す「膀胱瘤」や、直腸が飛び出す「直腸瘤」を併発することもあります。子宮下垂では自覚症状がないことがほとんどですが、子宮が飛び出た状態では、自覚意識があり、頻尿や尿が出にくくなるといったことも症状もひとつです。
子宮脱の原因
子宮脱は、骨盤の中の、子宮、膀胱、直腸を支える骨盤底筋群の筋力が、弱まったり傷ついたりすることによって起こります。出産や、腹筋に力が加わり続けること、老化などが原因となります。肥満体質の方、慢性的な便秘で排便の時にいきむ事の多い人、分娩に時間がかかった人、多産の人、大きな赤ちゃんを出産した方、35歳以上の出産である高齢出産をした人も骨盤底筋群が傷ついて起こりやすいです。
子宮脱の治療法
子宮脱を予防するためには、過度な肥満や痩せ型体型とならないように、体重コントロールを行いましょう。便秘を予防するために、トイレを我慢しないことも大切です。妊娠中は、立ちっぱなしの動作だけではなく、座りっぱなしでいることも、骨盤底筋群を緩ませる原因となりますので、横になって休憩することも心掛けましょう。
出産後は、骨盤底筋群を鍛えるために、骨盤底筋体操を行うことで、子宮脱の予防や治療、再発防止につながります。
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