子宮内膜増殖症とは
子宮内膜増殖症とは、女性の特有の病です。本来であれば、毎月生理の時に出血と一緒に剥脱する、子宮の内側を覆う内膜が必要以上に増えすぎて、厚くなりすぎる状態をいいます。月経過多や不正出血などがみられます。子宮内膜増殖症のうち細胞に異常を認める場合には、「子宮体がん(子宮内膜がん)」の前がん状態と考えられられるため、子宮の細胞診・組織診などが行われます。
子宮内膜増殖症の症状
子宮内膜増殖症の症状として、まず挙げられるのは「月経がなかなか終わらない」「月経血の量が今までと比較して明らかに多くなる」「月経が原因で、血液検査の際に貧血といわれてしまう」など、月経過多といわれる症状があげられます。月経過多か判断に迷うこともあるかと思いますが、月経過多の症状には、強い貧血や倦怠感、動機などもあげられます。次に、月経血の中にかたまりのようなものが混ざる(剥がれた内膜)ことがあります。月経ではない時期に外傷もないのに、不正に性器から出血がある場合にも、子宮内膜増殖症が疑われます。
子宮内膜増殖症の原因
子宮内膜増殖症の原因は、女性らしい体を作ることで知られるエストロゲンの影響が過剰になることです。エストロゲンの影響が過剰になる原因の一つは、夜間に分泌され、エストロゲンが過剰に増えるのを防ぐ役割も持つ「メラトニン」の不足です。夜間に光を浴びてしまうことでメラトニンは作られにくくなります。次に、肝機能の低下があげられます。肝機能の低下によりエストロゲンの代謝が悪くなり、滞留することで過剰な影響をおよぼすことになります。子宮内膜増殖症には、異型子宮内膜増殖症とよばれる、子宮体癌に発展する可能性の高い種類があります。この場合はエストロゲンだけが原因とはいえません。
子宮内膜増殖症の治療法
子宮内膜増殖症は、6割以上が自然に治癒します。そのため、特別な治療は必要ありません。定期的に婦人科へ通い、内膜細胞診をおこなうのみです。ただし、あまりにも症状が強い場合や治癒しない場合には、女性ホルモンの一つである「黄体ホルモン」を投与するほか、ホルモン療法として女性ホルモンを抑制して増殖をおさえるなどの治療法をおこなうこともあります。異型子宮内膜増殖症の場合で、子宮体癌となり、自然治癒やホルモン療法が難しい場合などは子宮全摘術をおこなうこともあります。
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