リンパ浮腫とは
何らかの原因でリンパ管の流れが滞り、皮下にリンパ液が溜まってむくんだ状態になることを「リンパ浮腫」といいます。重症化すると皮膚が硬くなったり(象皮症)、細菌感染による炎症を起こすケースもあります。弾性ストッキングなどにより皮膚をしめつける等、原因に応じた適切な治療が必要です。
リンパ浮腫の症状
リンパ浮腫は女性に多く見られる症状です。初期のむくみはやわらかく、指で押すと跡が残ります。一晩経つとむくみが消えるため、気づきにくい場合もあります。だんだん脚や腕が太くなってくると、動かすのに重い、だるいといった症状が出てきます。さらに症状が進むと、皮膚が繊維化し固くなります。これはリンパ管から染み出したタンパク質が原因で、皮膚の表面はガサガサし変形が生じます。
利き腕にリンパ浮腫が生じた場合は、文字を書く、料理をするといった日常生活が困難になります。また脚の場合は歩行にも影響します。見た目の変化も顕著なので、精神面のケアも必要となります。
リンパ浮腫の原因
リンパ浮腫には、原因不明の「一次性」と、がんの手術の影響で生じる「二次性」とがあり、ほとんどが後者です。「二次性」は、乳がんや子宮がん、前立腺がんの手術の際のリンパ節切除などによる後遺症が原因とされ、治療後まもなく発症するケースもあれば、10年以上経ってから症状が出るケースもあります。
一般に、リンパ浮腫は腕と脚に症状が見られますが、乳がんの場合は手術した側の肘の上下、子宮がん・前立腺がんの場合は、下腹部・陰部・太ももの内側あたりからむくみが生じてきます。むくみは徐々に指先、足先に広がりますので、早めの対処が重要です。
リンパ浮腫の治療法
リンパ浮腫の予防として、日々の体調管理と皮膚の保護があげられます。バランスの良い食事とマッサージ、軽い運動などが発症の予防になります。身体を締め付けない衣類を選び、むくみやすい部位は少し高くして寝るなどの工夫も効果があります。皮膚は乾燥を防ぐために保湿し、また虫刺されや擦り傷といった細菌感染の原因となる傷を作らないことも大事です。もしむくみに気づいた場合は、医療機関に相談し、専門家の指示によるリンパマッサージや、専用のストッキングを着用するなどの対処法で、症状の悪化を防げます。
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