症状

慢性乳腺炎は、乳輪の下に痛みのあるしこりができて、次第に大きくなり、赤く腫れ上がったり、膿が出たり、周辺が熱をもつこともあります。
  
多くの場合は乳頭からの分泌物や乳頭の陥没、皮膚のろう孔などがみられ、同時に全身には発熱や悪寒などを伴うこともあります。
急性乳腺炎よりは症状は軽いですが、膿瘍があれば治療を行います。しかし、この膿瘍は自壊するケースも多く、何度も同じような症状を繰り返すことになります。
  
授乳経験のない女性でも、もともと乳頭が陥没していた女性であれば症状がでやすいとも言われています。しこりができるので、初めての経験であれば乳がんなどと間違いやすいですが自己診断をせずに、病院を受診し対処します。

原因

慢性乳腺炎は乳輪下膿瘍と乳管拡張症が主なものになります。
乳輪下膿瘍の原因は、乳管の中に角質という物質がつまり、それに引き続いて細菌感染がおこることがあげられています。また、乳管拡張症は、乳管内に細胞片や脂肪を含んだ液が溜まり、それが刺激となって乳管周囲に炎症を引き起こすことが原因です。
  
乳頭の分泌物から高い割合で細菌がみつかりますが、今のところ、細菌感染が原因であるかは不明とされています。また、授乳中でなくても陥没乳頭などの乳頭や乳管の形成不全自体が要因となるケースが多いのが慢性乳腺炎の特徴でもあります。
  
また、急性化膿性乳腺炎に以前にかかったことがあり、適切な治療が行われていなかったことが引き金となり発症することもあります。

治療法

授乳に関係なく発症するのが慢性乳腺炎の特徴で、予防するには乳頭周辺を清潔にすることを心がけることです。
再発し、慢性化しやすいので、予防は難しいですが、発症した時にきちんとした、治療をおこない、完治させていくことも大事です。
陥没乳頭が発症の原因であることが多いため、陥没乳頭や乳管の形成不全などを手術することも予防のいっかんとなります。
  
長期化しやすく、一人で悩んでしまいがちですが、大学病院などの乳腺外来の専門医と相談しながら、再発防止につとめます。また、和食中心のヘルシーな食事を心がけ、乳腺が詰まるのを防止します。