腎結核とは
腎結核は腎臓に結核の病変が形成された状態のことを言います。 症状がなく気づかれにくいのですが、結核菌が尿管や膀胱などにまで拡大して、尿路結核となり排尿時痛や尿道狭窄に発展します。肺結核同様の治療が行われますが、腎機能の低下が顕著な場合には手術による摘出が行われる場合もあります。
腎結核の症状
腎結核は、病変が腎臓のみに留まっている場合は無症状なことが多く、尿路結核の段階まで進行してから初めて症状が現れるのが一般的です。具体的には、頻尿、排尿痛、残尿感など膀胱への刺激や、尿管が狭まることによる腎臓部分の痛みなどが見られる場合が多くあります。これらの症状は、膀胱炎と酷似しているため、診断の際には注意が必要です。
また、全身に見られるものとして、全身の倦怠感、疲労感や、極端な体重の減少、食欲不振などが現れることもあります。微熱が続いたり、寝汗を大量にかいたりする場合もしばしば見られます。
腎結核患者の尿は、血尿・濃尿であることが多いのですが、これらの尿は結核菌以外の菌を内包しないというてんが特徴的です。
腎結核の原因
腎結核は、まずヒト型結核菌が肺に感染し、それらが血液の流れによって腎臓まで到達することを原因として起こるものです。そして、腎臓に到達した結核菌がゆるやかに拡大を遂げ、尿の流れに乗って膀胱まで到達することが尿路結核の原因となります。腎結核に感染するそもそもの原因となる肺結核には、たいていの場合空気感染によって感染する場合が多いようです。感染者の咳などによって空気中に飛散した結核菌が、その空気を通じて、同じ部屋にいる人々に感染します。
しかし、結核菌に感染したからといって、全ての人に結核の症状が現れるわけではありません。結核の症状が現れるのは、栄養状態、ストレス、睡眠不足などによって身体の免疫力が低下している場合のみです。その点では、日々の生活リズムの乱れも間接的に腎結核の要因となっていると言えます。
腎結核の治療法
腎結核は、拡大することによって尿路結核などの重大な症状を引き起こしますが、感染が腎臓だけにとどまっている場合は症状も無症状で、比較的軽いまま改善を目指すことが可能です。ですので、腎結核の重症化を予防するためには、早期発見が何よりも大切であると言えるでしょう。また、腎結核にならないためには、まずその前段階である肺結核をしっかりと予防する必要があります。結核にかからないように、結核にかかったら早い段階で気が付けるように、健康診断を定期的に受診してください。さらに、結核の感染を防ぐBCGという予防接種も効果的です。
治療は、結核の治療に準じて行います。
安静と抗結核薬の多剤併用療法が基本になります。
治療期間は、6カ月が1つのめどとなるでしょう。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください