イタイイタイ病の症状

イタイイタイ病は慢性的なカドミニウム中毒のことで全身の痛みを伴う病気です。カドミニウムを摂取することで代謝異常を起こし腎臓障害などの機能異常をきたします。1968年に公害が原因と認定され「公害健康被害補償法」により医療費の救済が実施されています。
  
主な症状は、腎臓最尿管の機能異常(再吸収機能の障害)、骨の軟化、骨粗鬆症などがあります。また、身体に起こる変化としては、腰痛、筋肉痛などの疼痛、そしてひどくなると咳や体を動かすだけでも激しい痛みが出る、といった症状が出ます。症状のある患者の多くが「いたい、いたい」と痛みを訴えながら死に至ることから「イタイイタイ病」と名付けられました。

イタイイタイ病の原因

イタイイタイ病の原因はカドミニウムであるといわれています。富山県の熊野地域の住民に集中して発病したことから神通川流域で銅・銀・亜鉛を生産していた三井金属の神岡鉱業所の排水が原因であるとされています。
  
これは初めに「イタイイタイ病」が発症した地域の次のような状況から判断されました。
・この地域の土壌で検出されたカドミニウムが高濃度であったこと。
・患者の体内に蓄積されたカドミニウムの濃度が基準の数十倍から数千倍になっていたこと。
  
しかし、カドミニウムが原因であるとされているのは訴訟上の状況証拠により断定されたものです。動物実験など臨床では症状の再現ができておらず化学的な証明は現在でもされていません。

イタイイタイ病の治療法

イタイイタイ病は慢性的にカドミニウムを接種することにより発症するとされています。このため発症を防ぐ予防策としてはカドミニウムの摂取を抑えることにあります。工業排水が水を介して土壌に蓄積されることが原因であるため、高濃度のカドミニウムに汚染された作物や飲料水を接種しないことが大切です。
  
また低カルシウム、低蛋白といった栄養上の障害が症状を誘発していると考えられることからビタミンD2やビタミンD3の接種が有効であるとされています。