ウェルニッケ脳症の症状

ウェルニッケ脳症で現れる症状には初期、急性期、慢性期があります。初期では疲れやすく肩こりや足のだるさを感じたり、お酒を飲んだ時に記憶がないことが多いなどの症状があります。
  
急性期には特徴的な症状が主に3つあります。
1眼球運動障害
・眼球が動かせず寄り目になる
・または眼球が細かく震える
・物が二重に見える、めまいがする
2運動失調
・立ちくらみやふらつきがあってつかまり立ちをしないと上手く歩行できない
3意識障害
・すぐに眠ってしまう
・せん妄状態になる
・悪化すると昏睡状態になる
  
慢性期になると物忘れなど認知機能の低下、やる気を失うなどの精神的な症状からうつ状態になることもあります。

ウェルニッケ脳症の原因

ウェルニッケ脳症を引き起こす原因はビタミンB1(チアミン)が欠乏することによって脳の乳頭体、視床下部、中脳水道周囲などに病変を引き起こされることにあります。
  
ビタミンB1が不足する原因としては摂食障害や妊娠悪阻などによる栄養不足の他アルコールの多量摂取やインスタント食品に偏った食事が要因とされています。特にアルコール依存症の人に発症例が多く、アルコールの多量摂取によってチアミンの吸収が阻害されるだけでなく、アルコールの複合的な要因も考えられています。
  
また胃の切除を受けた人にも起こりやすいため対象者は経過観察が必要です。

ウェルニッケ脳症の治療法

ウェルニッケ脳症の予防には日頃からバランスの良い食事を心がけることが大切です。特にアルコール依存症の人はビタミンB1を意識的に摂る必要があります。食事の改善が難しい場合にはサプリメントを利用するのも効果的です。
  
依存症ではなくてもアルコールを多く飲む人やインスタント食品やお菓子・ジュースなどに偏りがちな人はビタミンB1を多く含む食品を積極的に摂ることで予防に効果があります。ビタミンB1を多く含んでいる食品は豚肉、穀類の胚芽、ナッツ類などです。