尿崩症の症状

尿崩症の症状は、多尿と多飲、口渇などが挙げられます。尿は比重や浸透圧が低く非常に薄い尿が、1日に3リットル以上出ます。中には30リットルほど排尿する場合もあります。そして、夜間も昼と変わらない多量の排尿があるのが特徴です。

また、それに伴い多量の水分を摂取するようになります。水分が不足してしまうと、脱水症状や急性腎前性腎不全を招く場合もあるので、水分補給を欠かさないことが何よりも重要です。

症状は一過性のものもありますが、永続する場合も少なくありません。尿崩症の疑いがある場合は早めに、内分泌の専門医、または脳外科への既往歴がある場合は、脳外科医への相談が大切です。

尿崩症の原因

尿崩症は大きく分けて2つに分類されます。抗利尿ホルモンの分泌異常の中枢性と、腎臓での働きに異常が出る腎性です。いずれもあらわれる症状に違いはありません。

まず、中枢性尿崩症の場合、脳の外傷やクモ膜下出血、脳腫瘍などの手術後に発生する場合があります。また、下垂体炎の症状としておこる場合もあります。一方、腎性の場合は腎炎などで発生する場合があります。また、稀ではありますが、中枢性・腎性共に遺伝で発症するケースもあります。

尿崩症の治療法

尿崩症の原因はさまざまなので、予防しきれるものではありません。しかし、尿崩症の要因を少しでも回避するのであれば、規則正しい食生活が重要です。

尿崩症は、低カリウム血症や高カルシウム血症もその要因のひとつとされています。低カリウム血症や高カルシウム血症は、不規則な食事や栄養の偏りなどが原因で起こりえる症状でもあるので、それを避けるために、1日3食きちんと食事をとることと、栄養バランスのとれたメニューが重要となります。

治療は、抗利尿ホルモンである、バソプレシンまたはデスモプレシンを1日数回、鼻腔スプレーで投与します。