マラセチア毛包炎とは
マラセチア毛包炎とは、マラセチア真菌というカビの一種が毛穴の中で増殖することで引き起こされる皮膚炎です。見た目はニキビとよく似ています。上背部に好発し、痒みや痛みを伴うこともあります。
マラセチア毛包炎の症状
マラセチア毛包炎は、男女を問わず10代の若年層から中年層まで幅広い年齢層で発症します。高温・多湿で汗をかきやすい梅雨から夏場にかけてよく見られ、背中、肩、二の腕、胸などに好発します。赤くてやや光沢がある丘疹もしくは膿疱で、2~3mm程度で小さく、ほぼ均一な形で分布します。痒みや痛みは軽度の場合がほとんどですが、まれに強い痒みや痛み、痛痒さを伴うこともあります。放っておくと治りにくいため、ニキビがなかなか治らない、しつこいニキビがあると感じたら、マラセチア毛包炎を疑ってみるとよいかもしれません。
マラセチア毛包炎の原因
マラセチアという真菌の異常繁殖によって引き起こされます。マラセチアはニキビの原因菌であるアクネ菌等と同様に、皮膚の常在菌の1つで別名を癜風菌(でんぷうきん)といいます。マラセチア毛包炎に関連するのは、「マラセチア・ファーファー」、「マラセチア・グロボーサ」、「マラセチア・シンポディアリス」、「マラセチア・ダーマティス」、「マラセチア・レストリクタ」の5種類です。
マラセチアが皮膚内で繁殖したことによって免疫反応が起こり炎症を引きおこします。マラセチア・ファーファーは毛穴に侵入した時点ですぐに免疫反応が起こります。また、マラセチアが皮脂を分解してできた代謝物が炎症を起こす場合もあります。
マラセチア毛包炎の治療法
マラセチア毛包炎は、皮膚を清潔にすることで発生を抑えられます。皮脂の多いところで増殖するので、洗顔やシャワー・入浴などによって皮膚を清潔に保つことが大切です。また、マラセチア真菌は皮脂や汗が多い環境で増殖しやすいため、夏期はエアコンなどで温度と湿度を最適に保つのも効果的です。
マラセチア毛包炎は放置すると治りにくいですが、抗真菌外用薬などを使用すると劇的に改善されることが多いです。ニキビやブツブツがなかなか治らないと思ったら、早めに皮膚科を受診することが勧められます。
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