前庭神経炎の症状

前庭神経炎は、突然周りがぐるぐる回る回転性のめまいが起こり、数日から1週間程度続きますが、難聴や耳鳴りなどの症状は現れません。めまいには、強い吐き気、嘔吐を伴うため、脳梗塞や脳出血による中枢性めまいとの区別が必要です。
  
めまいは発症から1週間程度で軽減しますが、発症後1週間程度は歩行にも困難を生じます。発症後3週間ほどでめまいが治まりますが、体を動かした時などにふらついたりすることがあり、また、人によっては数カ月持続することもあります。無理に動くと症状が悪化することがあるので注意が必要です。

前庭神経炎の原因

前庭神経炎は前庭神経の炎症が原因で発症しますが、炎症の原因は分かっていません。風邪に似た症状があることからウイルスによる感染が有力な説と考えられていますが、血管障害説、脱髄性病態説などもあります。
  
内耳は蝸牛、前庭、三半規管から成り、前庭と三半規管は平衡感覚をつかさどるための器官です。そのため、前庭神経に炎症が起こると神経が麻痺してめまいが起こります。
  
回転性のめまいが現れ、なおかつ聴力検査で異常が見られない場合、温度眼振検査や頭位眼振検査の実施が必要です。温度眼振検査で耳の温度反応が高度低下、または無反応になり、めまい発作時に水平性眼振が認められるとほぼ前庭神経炎と診断されます。

前庭神経炎の治療法

炎症の原因がはっきりしていないため予防をするのは難しくなりますが、ウイルスによる感染などを引き起こさないように注意することはできます。栄養バランスが整った食生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、免疫力を高める生活習慣を身に付けることが必要です。ストレスをためるのも悪影響になります。
  
もし、回転性のめまいを起こし前庭神経炎が疑われる場合は、なるべく早く医師の診断を受けることが勧められます。

治療は安静と薬物療法になります。