ペルテス病の症状

症状は、足をひきずって歩く(跛行)ようになり、股関節からひざにかけての軽い痛みを訴えるようになります。股関節を内側や外側に動かしにくくなり、股関節部分に圧痛を感じます。
   
症状が進むと、跛行がひどくなり、じっとしていても強い痛みを感じるようになります。さらに症状が進行すると、大腿骨の骨頭の変形による痛みが強くなり歩けなくなります。この段階では骨頭の変形がかなり進み、重篤な状態になっています。
  
ペルテス病は早期発見・早期治療が重要なため、子供が痛みを訴えなくても、足をひきずって歩くようなら、整形外科を受診すべきです。そしてペルテス病と診断されたら、専門医の治療を受けるようにしましょう。

ペルテス病の原因

ペルテス病の原因は、小外傷の繰り返しによる血行障害、炎症、内分泌障害、血液凝固異常、遺伝、受動喫煙などの説がありますが、まだ解明されていません。原因ははっきりしていませんが、大腿骨の骨頭の骨端部に栄養を送る血液の流れが何らかの理由により悪くなり、骨頭が壊死を起こしてつぶれます。ほとんどが片側に起こりますが、両側に発症することもあります。
  
血液の流れが良くなると徐々に骨頭が修復され、個人差もありますが、2年~5年くらいで回復します。ただし、成人してから変形性股関節症を発症するケースもあり、長期的な経過観察が必要となります。

ペルテス病の治療法

ペルテス病には効果的な予防方法がなく、早期発見・早期治療が大切です。治療法は、保存的治療(装具療法)と、外科的治療(手術療法)の大きく2つに分かれます。双方とも、つぶれた大腿骨骨頭が元の球形に再生・修復されるのを待つことが目的です。
  
保存的療法では、壊死期に両下肢を牽引した状態で数週間過ごした後、治療用装具を装着します。装具にはいくつかのタイプがあり、症状に応じたタイプの装具を使用します。外科的治療では、大腿骨骨頭が股関節の中におさまるように角度を整え、骨頭の修復を待つことになります。

乳児では健診の際に股関節の状態を確認しますので、受診を怠らないようにしましょう。