骨髄炎/化膿性骨髄炎の症状

骨髄炎の症状のうち、「急性骨髄炎」の最も代表的なのは発熱です。また、炎症を起こしている局所に腫れ、熱感、発赤、痛みなどがあります。症状が長引くと、疲れやすくなったり体重が減少したりすることもあります。小児は大腿骨や脛骨、上腕骨に発症しやすい傾向があり、大腿骨や上腕骨などに起こした場合、関節まで感染し化膿性関節炎も起こすことがあります。成人(特に高齢者)では脊椎に発症することもまれではありません。
  
「慢性骨髄炎」は発熱などがなく、局所に骨痛や圧痛を感じ、骨の周囲の組織で感染を繰り返し、皮膚に穴があいて膿が出てきます。急性骨髄炎が慢性化する場合と、数ヶ月から数年間症状がなく最初から慢性骨髄炎を発症する場合があります。症状が軽い場合には診断までに非常に時間がかかることがあります。

骨髄炎/化膿性骨髄炎の原因

骨髄炎の病原は細菌などの微生物です。主な原因菌としては黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌や緑膿菌などがあげられます。以下の3通りの経路で細菌が骨に感染する可能性があります。

(1) 血液によって身体の他の部位から細菌が骨に運ばれる
(2) 隣接する骨や軟部組織から波及する
(3) 骨折や手術によって直接骨髄に細菌が侵入する

(1)の場合、小児は脚や腕の骨端部、成人(特に高齢者)は脊椎に感染する傾向にあります。腎臓透析を受けている人は脊椎に感染しやすくなります。(2)は高齢者に多く、数日から数週間で隣接する軟部組織から骨へと感染が広がります。この種の感染は、外傷や放射線療法、癌や糖尿病、血行不良などによる皮膚の潰瘍ができた部分でよく起こります。

骨髄炎/化膿性骨髄炎の治療法

骨髄炎の場合、健康に見える人にも突然発病することがあるため、予防よりも、早期発見・早期治療が大切です。発見には、主に血液検査と画像検査(X線・エコー・CT・MRI検査など)が用いられます。
  
骨髄炎の治療のためには、原因となる微生物を特定した上で、原因菌に有効な抗生物質の点滴投与を行います。ベッドでの安静や、装具の着用による固定が必要になることもあります。骨や軟部組織が壊死したり、膿瘍があったりする場合は、抗生物質の投与に加えて手術が必要になります。なお、慢性骨髄炎になると再発することがあります。