食道静脈瘤の症状

食道静脈瘤を抱えている段階での主だった症状は、特にありません。まれに、食べものや飲みものを、やや嚥下しにくいなどの症状が出る場合もありますが、多くのケースにおいて目立った症状がないため、疾病に気付かずに重症化させてしまうことの多い病気です。
  
腫れて大きくなってしまった静脈のコブが、破裂を起こしてしてから気付くといったケースも多く見られます。一度静脈が破裂を起こしてしまうと、胃液とともに血液が吐き出される吐血や、下血を引き起こしますので、速やかに医療機関を受診し、治療を開始する必要性があります。

食道静脈瘤の原因

食道静脈瘤は、慢性肝炎・肝硬変に代表される肝臓疾患や、門脈と呼ばれる肝臓独自の血管が狭くなってしまうことなどに起因して、門脈の圧力に異常をきたすことが原因となって起こる病気です。
  
門脈圧が高くなりすぎると、他の臓器から肝臓へと運ばれる血管のめぐりが悪くなり、血液の堰き止めが起こります。それによって、食道の粘膜の下側にある静脈に多くの血液が流れ込んでしまい、行き場のなくなった血液がコブを成形する結果となるのです。
  
内視鏡検査により、食道静脈瘤の有無や成長の程度などを調べることが可能ですので、肝機能疾患をお持ちの場合は検討されると良いです。

食道静脈瘤の治療法

食道静脈瘤に対する予防法は、食道の粘膜ができる限り傷つかない生活を送ることです。食事の際には、極端に熱いもの、刺激の強いものを避けることが大切です。また、食べ物を大きなかたまりのまま飲み込んでしまうことも粘膜を傷つけるリスクがありますので、しっかりと咀嚼を行うことが大切です。
  
内視鏡の検査によって発見されるケースや、コブが破裂してしまった状態で発見されることが多い疾病ですので、人間ドックなど、定期的な検査も予防として有効です。
治療は、吐血時に、輸血療法や、内視鏡による結紮術が行われます