扁平母斑の症状

扁平母斑は全身のさまざまな部位でみられるあざです。「カフェオレ斑」とも呼ばれる通り、薄い茶色をしていて、ほくろのような盛り上がりはありません。しみのように面状に広がっているものもあれば、点が集まったように状態になっているものもありますが、一定以上の大きさの扁平母斑の数が全身で6個以上ある場合には、「レックリングハウゼン病」の疑いが持たれます。
  
後発性の扁平母斑は、思春期にあらわれることが多く、肩や胸、背中、上腕部などに発毛をともなってあらわれる扁平母斑には「ベッカー母斑」と呼ばれています。ベッカー母斑は女性より男性に多いのが特徴です。いずれの扁平母斑も自然に消えることはありませんが、悪性化することもありません。

扁平母斑の原因

扁平母斑の茶色は、メラニン色素の色です。何らかの理由で、皮膚の中でメラニン色素が大量に生成されてしまうと、見た目に境界のわかる茶色いあざになります。扁平母斑のメラニン色素を作り出しているのは表皮にあるメラノサイトで、扁平母斑ができる理由は
1.メラノサイトの数の増加によるもの
2.多量にメラニン色素が作られていることによるもの
の2通りが考えられます。思春期頃に発生することの多いベッカー母斑については、野外で長時間強い日光にさらされたことが引き金となって発生することもあります。レックリングハウゼン病による色素斑は全身に現れる色々な病変のうちの1つであり、皮膚病変は早期にあらわれやすいです。

扁平母斑の治療法

扁平母斑は悪性化することはないため、医療目的での治療が行われることはまずありません。しかし場所によっては見た目に気になるということもあり、美容目的での治療が行われることも多いです。
  
現在はQスイッチ・ルビーレーザーによる治療が主流ですが、生まれつきの扁平母斑の場合、他の色素斑に比べレーザー治療の有効率が低く、治療を受けても完全に消えなかったり、効果がない、逆に濃くなる、さらには再発する、などといった結果になる可能性もあります。ベッカー母斑はレーザー治療の効果が出やすいといわれていますが、毛の内部にも色素が存在するため、脱毛してからの照射を行ないます。