がま腫/ラヌラとは
がま腫とは口腔底に左右一つずつある舌下腺に炎症が生じ、唾液の溜まった嚢胞ができ口腔底粘膜や皮膚が膨れる粘液嚢胞の一種です。唾液の溜まり口が顎下部に生じた場合は下顎の下外側の皮膚が腫れることがあります。その病態が「ガマガエル」の喉頭嚢に似ていることからガマ腫と名付けられました。
がま腫/ラヌラの症状
通常、口腔底に青みがかった透明度の高い嚢胞が左右の一方に生じ、口腔底の粘膜が水をいれた風船のように腫れてきます。嚢胞が大きくなることでしばしば「舌が上におしやられるような」感覚を伴います。嚢胞は良性でかつ無痛性です。噛んで一部が破れると中から粘性の高い液体がでてきて腫れはひきますが、しばらくするとまた腫れてきます。顎下型がま腫の場合は嚢胞がかなり大きくならないと皮膚上の膨らみがみられず、顎舌骨筋の前方または後方、まれに筋肉の隙間から嚢胞がでてくることで外見的に分かるようになります。また、ガマ腫は女性に多く頻度は男性の3倍ほどですがその理由は不明です。
がま腫/ラヌラの原因
ほとんどの場合は先行する疾患や自覚症状がなく、唾液腺の一つ(二つ)である舌下腺に炎症が起こることで生じるといわれていますが、その原因はよく分かっていません。舌下腺の唾液は粘稠度が高くどろどろとしており、漏出した唾液が組織に蓄積することで嚢胞となり次第に大きくなっていきます。舌下腺の唾液の流出路が閉塞するために起こるため、以前はこの管が閉じないようにする方法で治療されていましたが、現在ではガマ腫を舌下腺ごと摘出することが根治につながると考えられています。
がま腫/ラヌラの治療法
通常はまず開窓療法という嚢胞を切開して唾液を外に出す治療を行います。しかし再発がまれではないため、何度も再発を繰り返す場合には舌下腺をガマ腫ごと摘出する手術を行います。左右一方の舌下腺を摘出したからといって唾液が枯渇して口が渇くといったようなことはまずおこりません。手術を行わない方法としてはOK-432という薬(接着剤のような物)をガマ腫内に注入する方法があり、最近保険適用となりました。顎下型ガマ腫に対しても口腔内から舌下腺とガマ腫を摘出する方法が一般的です。まれに生じる顎下腺からの粘液嚢胞も同様のアプローチで摘出されます。
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