肛門ポリープの症状

ポリープは小さいものでは米粒大から大きいものでは親指大まであります。形状としては団子状、きのこ状、有茎性などがあります。
  
排便後にポリープが肛門外に脱出し出血や痛みを伴うことがありますが、手で元に押し込めてやることでしばらく無症状で過ごせます。ただ、ポリープが大きいと常に便意を感じることがあり、またポリープが肛門に出入りを繰り返すことで肛門がかぶれて痒みがでることがあります。
  
肛門ポリープ自体はそれほど強い症状を伴いませんが、慢性裂肛や痔瘻などを伴っている場合早期に根治療法を行うことが推奨されます。

肛門ポリープの原因

慢性裂肛(切れ痔)に伴って発生することが多く、他には慢性的な下痢や便秘、痔核、痔瘻などの歯状線付近での慢性的な刺激や炎症が原因となります。排便時にいきむ習慣があるとポリープが肛門から脱出しやすくなります。
  
裂肛は硬い便が通過する際に形成される肛門管の裂創のことで、便秘気味の人に多く見られます。6時方向の後壁に好発し、排便時の出血や痛み、排便後の持続する疼痛を生じます。
  
裂肛が慢性化することで裂創が潰瘍化し、肛門側に「見張りいぼ」、口側に肛門ポリープが形成されます。見張りいぼは肛門から飛び出ている場合が多いものの、厳密には肛門ポリープと区別が必要です。

肛門ポリープの治療法

肛門ポリープは大腸ポリープと違い、がん化することはまずありません。一般に肛門ポリープの治療は外科的に行いますが日帰り(デイサージェリー)で局所麻酔下に簡単に切除できます。
  
深い裂肛や痔瘻、痔核などを伴っている場合は根治療法が必要となります。また、多発する場合は電気メスで焼いたり切るなどします。慢性裂肛に伴う肛門ポリープの場合は裂肛根治手術を行い肛門ポリープを裂肛と同時に除去します。肛門がんは外見から肛門ポリープとは異なり肛門周囲に硬いしこりとなって現れます。