門脈圧亢進症とは
門脈圧亢進症とは、門脈圧が200mmH2O以上に上昇する病気のことで、これらに伴う病的症状をまとめて門脈圧亢進症といいます。そのため、一つの病気のことを指すわけではなく、様々な病気が原因となり、食道胃静脈瘤、脾腫、胸腹水、肝性脳症などの症状を起こします。
門脈圧亢進症の症状
門脈圧亢進症自体は無症状ですが、合併する病気の症状が現れ、食道・胃静脈瘤、脾臓腫大、腹水、肝性脳症、胃腸症など、長引くと様々な症状が起こります。食道・胃静脈瘤は、食道や胃にある静脈が大きく腫れ、破れると大量に出血して吐血することもあります。脾臓腫大は、脾臓が腫れて血液の成分が破壊され、貧血や出血、易感染症などの症状が起こります。腹水は、お腹が張ったり、栄養分が失われることもあります。肝性脳症は、神経障害物質が脳に流れ込んでしまうことにより、意識障害になる危険性があります。胃腸症は、粘膜が浮腫んだり易出血性(接触出血)などが起こります。
門脈圧亢進症の原因
門脈圧亢進症の原因の多くは肝硬変とされています。肝硬変になると、それに伴う形で門脈という血管の圧が上昇し、門脈圧亢進症になり、食道静脈瘤を引き起こします。食道静脈瘤は、食道の粘膜を流れる静脈血の流れる向きが逆になることにより、大量の血液が食道の静脈に流れ込み、その結果、血管が曲がってでこぼこになってしまった状態です。肝硬変以外には、特発性門脈圧亢進症、Budd-Chiari症候群、肝外門脈閉塞症など多くの原因が考えられます。
門脈圧亢進症の治療法
門脈圧亢進症は、原因となる病気の治療と同時に、起こっている症状に対する治療が行われることになります。食道・胃静脈瘤の破裂がある場合には、内視鏡を使った止血や薬物療法が行われるのが一般的です。また、出血の予防として、静脈瘤に薬を入れる、内視鏡的静脈流硬化療法や、静脈瘤を縛る、内視鏡的静脈瘤結紮術なども行われます。手術をする場合もありますが、最近は少なくなってきていると言われています。
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